「炎症性乳がん」の”5つの初期症状”はご存じですか?乳がんとの違いも医師が解説!
炎症性乳がんの初期症状とは?メディカルドック監修医が、乳房の赤みやむくみ、オレンジの皮のような皮膚の変化など、見逃せない前兆や通常の乳がんとの違いを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「炎症性乳がんの初期症状」はご存知ですか?なりやすい人の特徴も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
山田 美紀(医師)
慶應義塾大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、総合病院や大学病院にて形成外科、外科、乳腺外科の研鑽を積んできた。医学博士。日本外科学会 外科専門医、日本乳癌学会 乳腺認定医、検診マンモグラフィー読影認定医(A判定)の資格を有する。
「炎症性乳がん」とは?
炎症性乳がんとは、乳房の皮膚が乳腺炎のように赤くなる特殊な乳がんです。皮膚のリンパ管ががん細胞によって詰まり、乳房の広い範囲で皮膚の赤みやむくみを引き起こします。乳がんのうち約0.5~2%にしかない、比較的まれなタイプの乳がんです。
「炎症性乳がん」と「乳がん」の違いとは?
乳がんは一般的に乳腺内に腫瘤(しこり)を形成しますが、炎症性乳がんではしこりをほとんど認めません。乳腺炎に似た症状であるため、診断が遅れるケースもあります。また、通常の乳がんに比べ、進行が早く、悪性度が高いとされています。
炎症性乳がんの前兆となる初期症状
炎症性乳がんの初期症状をご紹介します。
乳房の赤み
乳房の広い範囲に皮膚の赤みが見られます。数週間から数か月で急速に広がります。症状がある場合は、乳腺科を早めに受診しましょう。
乳房のむくみ
炎症性乳がんではしこりは触れませんが、乳房全体がむくむことがあります。今までになかった乳房の左右差がある場合、早めに乳腺科を受診しましょう。
オレンジの皮のような皮膚
炎症性乳がんでは皮膚が厚くなります。毛穴が目立つようになり、まるでオレンジの皮のような凹凸のある皮膚になることがあります。症状がある場合は、早めに乳腺科を受診しましょう。
乳房の熱感
炎症性乳がんでは乳房の熱感を自覚することがあります。症状がある場合は、早めに乳腺科を受診しましょう。
脇のリンパ節の腫れ
炎症性乳がんは進行が早く、乳房周囲のリンパ節にがんの転移を認めることがあります。脇のリンパ節に転移すると、リンパ節の腫れを触れることがあります。症状がある場合は、早めに乳腺科を受診しましょう。
「炎症性乳がんの初期症状」についてよくある質問
ここまで炎症性乳がんの初期症状などを紹介しました。ここでは「炎症性乳がんの初期症状」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
炎症性乳がんの進行スピードはどれくらいでしょうか?
山田 美紀 医師
炎症性乳がんは通常の乳がんと比べて、進行スピードが速いことが多いです。数週間から数か月で進行することがあり、次の乳がん検診までの間に進行することがあります。
炎症性乳がんステージ4の生存率はどれくらいですか?
山田 美紀 医師
炎症性乳がんのステージ4は乳房から離れた部位に転移している状態です。炎症性乳がんに限らず、乳がんステージ4の5年生存率は38.6%と報告されています。
編集部まとめ
炎症性乳がんは通常の乳がんと比べて進行スピードが速く、乳房の広い範囲に赤みやむくみが生じます。しこりがないことが多く、マンモグラフィで見つけることが難しいため、診断が遅れることもあります。気になる症状がある場合は、早めに乳腺科を受診することをお勧めします。
「炎症性乳がん」と関連する病気
「炎症性乳がん」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
乳腺科の病気
乳腺炎婦人科の病気
卵巣がん(遺伝性乳がん卵巣がん症候群の場合)
炎症性乳がんの症状は乳房が赤くなるため、乳腺炎と似た症状が起こります。しかし、乳腺炎とは全く異なる病態です。症状がある場合は、乳腺科を受診しましょう。また、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の場合は、乳がんや卵巣がんになるリスクが高くなります。
「炎症性乳がん」と関連する症状
「炎症性乳がん」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
乳房の赤み
乳房のむくみ
オレンジの皮のような皮膚
乳房の熱感
脇のリンパ節の腫れ
炎症性乳がんは乳房の赤み、熱感など乳腺炎と似た症状が出現します。気になる症状があれば、乳腺科を受診しましょう。
参考文献
乳癌診療ガイドライン2022年版(日本乳癌学会)
患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版(日本乳癌学会)
