今週のテーマは「『もっと一緒にいたい…』と言われたのに、女が二度目のデートでさっさと帰った理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:「俺のこと好きなの…?」34歳ハイスペ男が、初デートで“完落ち”した女の言動とは




拓実と二度目のデートに来たことを、私は後悔している。そしてさっきから、周りの視線が痛い。

「本当に、今日はもう帰る?」
「うん…」

恵比寿の真ん中で、どうしてこんな恥ずかしいやり取りをしなければならないのだろうか。

彼のことがますます嫌になるだけではなく、こんな状況を誰かに見られたらと思うと最悪だ。

一刻も早くこの場を逃げ出したくて、私は笑顔で慎重にもう一度2軒目の誘いを断る。

「ごめんなさい、やっぱり今日は帰ります」

目の前にタクシーが良いタイミングで流れてきたので、慌ててそれに飛び乗った。

初デートで、別に悪い印象はなかった拓実。しかしこの二度目のデート、私は初めから嫌な予感はしていた。

ただきっと、私も悪い。それは男性に“壮大なる勘違い”をさせてしまったから…。


A1:帰りたくなったので、次回への含みを持たせて切り上げた。


拓実と出会ったのは、女友達と飲んでいた時に誘われた会だった。私の友人が康二という人と知り合いで、向こうは男二人で飲んでいるという。

時刻は、23時。

行くかどうか少し迷ったけれど、良い出会いがあるかもしれない。それに男性陣が指摘してきた西麻布の会員制のバーは、行ってみたいお店でもあった。

興味本位から行ってみると、そこに康二と拓実がいた。

拓実は、あまり自分から積極的に話題をふるタイプではなかったが、その寡黙な感じに興味をそそられた。この日は25時くらいまでみんなで飲み、帰りは「方向が一緒だから」という理由で拓実が送ってくれることになった。

そしてもちろん、帰りのタクシーの中で誘われた。

「よければ、次は二人で飲みませんか?」

そもそも、「タクシーで送る」と言われた時点でなんとなくの想像はついていた。だからこちらも、想定内の返事をする。

「ぜひ!LINE交換しませんか?」

― あの西麻布の会員制のバーに行けるってことは…。

推定年収3,000万はある。いや、コンサル会社を自分でしていると言っているし、もっとあるかもしれない。

そしてすぐにデートをすることになったのだけれど、その期待を裏切ることなく、拓実は初デートで予約困難な、虎ノ門にある有名鮨店に連れていってくれた。




「今日、すっごく楽しみにしていたんです♡」

「店の場所がわかりにくいから」という理由で、店の外で待ってくれていた拓実。それに対して私も、ちゃんと小走りで拓実へ近づき、笑顔で「楽しみにしていた」と伝える…というパフォーマンスをやってみる。

もちろん拓実は嬉しそうにしてくれるし、相手に喜んでもらうことは、食事をご馳走してくれる男性へのある意味マナーだとも思っている。

私は、食事中も相手が喜びそうなツボを押さえながら会話をした。

「拓実さんは、普段こういう素敵なお店ばかり行かれるんですか?」
「毎日じゃないけど、頻度は高いかな」
「え〜そうなんですね。すごい!私もまた、どこかご一緒させていただきたいな…」
「もちろん!どこか行きたい店とかあるの?」
「そうじゃなくて。拓実さんと行けるなら、どんなお店でも嬉しいです♡」

するとわかりやすく、拓実の目尻が下がった。

34歳、独身経営者。女性慣れしているのかと思いきや、意外にそうでもないのかもしれない。

「本当に?そう言ってもらえると嬉しいけど…」
「あ。私、焼き鳥屋さんとかも好きなんです。キラキラした感じではなく、モクモク系の」




そしてこれも、私の中では鉄板の回答だった。

“高級店だけではなく、意外に庶民的なんです”アピールは、結構有効だから。

「そうなんだ!意外」
「香澄ちゃんと行きたい店、たくさんあって迷うな」
「じゃあ…一つ一つ、叶えていきましょうよ」

そんな意外に純粋な拓実とのデートは楽しくて、あっという間に時間が過ぎていく。誠実そうだし、私に対しての多少の好意も感じる。

― もう少し、知りたいな。

そう思った。だから2軒目も行きたいと思っていたが、意外にも遅くなり眠くもなってきた。

「時間、大丈夫?無理しなくていいからね」

さっきからスマホをチラチラと見る私に気を使ってくれる拓実。この人の良さを、無下にするわけにはいかない。

だから「早く帰りたい」とストレートに言わず、一応、相手を気遣って、含みを持たせて遠回しに「帰りたい」アピールをしてみた。

「拓実さんって素敵ですよね…もっと一緒にいたいなぁと思うんですけど」
「本当に?僕もなんだけど」
「さすがに今日は初デートだし、もう24時なので帰りますね。ただ次は、もう少し長く一緒にいれますか…?」
「もちろん」

そしてこの言葉通り、2回目のデートもすぐにやってきた。


A2:明らかな下心がミエミエで嫌だった。


初デートは楽しかったし、私の中でアリかな?とは思っていた。

しかしこの二度目のデートで、“拓実とはもう会いたくない”レベルに落ちることになる…。

二度目のデートは、恵比寿にある和食屋さんを予約してくれていた拓実。

ただ正直に言うと、お店のリンクが送られてきた時に「ん?」となった。

まず、初デートの時とお店のランクが全然違ったから。でも別にこれは良い、カジュアルなお店も嫌いではないから。

だがもう一つ、私が気になったのは「拓実の家に近い…?」という点だった。




前回のデートで、住まいは恵比寿だと言っており、どの辺りなのかもうっすら聞いた記憶がある。そのエリアに近いのは、ただの偶然なのだろうか…。

そんなモヤモヤを抱えながら、お店へと向かう。

「ごめんなさい、遅くなっちゃって…」
「いいよいいよ、大丈夫。何飲む?」
「1杯目はビールにしようかな」
「ビールいくんだ!いいね。僕さ、ビールを美味しそうに飲む子が好きで」
「そうなんですか?じゃあ、私のオーダー正解でしたね」

今日も拓実は変わらず良い人だ。だからこそ、気になっていることを早めに聞いてみた。

「拓実さん、お家恵比寿でしたよね?」
「そうそう。ここのすぐ近くだよ。この店、使い勝手が良くて。香澄ちゃんは芝浦だっけ?」
「そうです。ちょっと遠くて」

この返答で、拓実に「あれ?下心はなくて純粋にこのお店が好きなのかな?」と思った。

しかし次の会話で、私のそんな思いは軽く覆されることになる。

「普段、家では何をしているの?」
「掃除したり、ひたすらSNS見たり…拓実さんは?」
「僕はネット配信のドラマとか映画を見てのんびりするかな。家で好きな子と、美味しいワインを飲みながらまったりそれを一緒に見るのが好きで」




― …これって、家に誘う伏線?

でもまだわからない、ただ普段の過ごし方を聞かれているだけなのかもしれない。

でも少しずつ拓実の様子が、おかしくなってきた。

「香澄ちゃんは、そういうの嫌い?家でまったり…みたいな」

家の近くのお店を予約している時点で下心が見え見えだったのに、この会話によって、遠回しに「家でまったりしながら過ごそう」と誘われているように聞こえてきてしまった。

「好きですよ。お休みの日とか、一度も家に出ないで引きこもることもありますし」
「そうなんだ。食事もデリバリー?」
「そうです!もう、ひたすらダラダラして過ごすのが好きで」
「最高だね」

もうこうなると、一刻も早く帰りたくなる。

― どうして、こんなに誘い方が下手なんだろう…。

そう思っていると、お店を出た後にさらにすごいことを言ってきた。

「この後どうする?近くに行きつけの良い感じのバーがあって。もしくは僕の家でワイン飲みながら何か一緒に観るとかでもありだけど…」

― 無理だ……。

どうして待てないのだろうか。

勘違いさせるような言動をしていた私も悪い。でも、ここまでわかりやすく誘われると、もうドン引きだ。こんな誘い方で誰がYESと言うのだろう。

気合を入れて2軒目を用意していたこと。しかもそれが、自分の家への導線にしようとしていたことがバレバレな時点で、100%アウトだ。

「ごめんなさい、やっぱり今日は帰ります」

こうして一目散に私はタクシーに乗り込んだ。

誘うなら、スマートに誘ってほしい。

「センス無さすぎ…」

タクシーの中で、思わずそう嘆いてしまった。

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