【医師が教える】妊活をしている女性が「筋トレをすべき」納得の理由とは?
妊活というと、まずホルモンや年齢の問題が語られる。だが実は、妊娠の土台には「代謝」という見えにくい要素がある。医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオン氏が書き、世界20か国以上で続々刊行されている『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』から、内容の一部を特別公開する。
なぜ筋肉と「不妊症」に関係があるのか?
肥満や過体重と並んで、不妊症も世界中で増加している。不妊はホルモンの問題だと考えられがちだが、実際は、食事とライフスタイルに密接な関係がある。
健康的で引き締まった身体を維持することには、妊娠の可能性を高める特別な効果がある。
不妊症は「自然受精を12か月以上試みても妊娠しないこと」と定義されるが、世界保健機関(WHO)の推計では、世界では5000万〜8000万人の女性が不妊症だ。
出産可能年齢の女性の不妊症の最も一般的な原因は排卵不全で、全体の40%に上る。肥満は女性の生殖能力を損なうことが知られており、わずかな過体重でも妊娠率を低下させる可能性がある。
運動と適切な栄養がカギ
アメリカでは500万人の女性(生殖能力がある年齢の女性の約6〜12%)が多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を患っている。
これはインスリン抵抗性、筋肉組織の異常、そしてしばしば加齢にともなうサルコペニア肥満によって生じる疾患だ。筋肉組織に直接影響し、インスリンによるブドウ糖の取り込みを減少させ、ときにはインスリン・シグナル伝達(血糖値の調整とエネルギー代謝において中心的な役割を果たすプロセス)の異常を引き起こすことがある。
PCOSは肥満に関連していると考えられがちだが、これに罹患した女性は、BMIとは関係なく顕著なインスリン抵抗性を持っている。痩せ型でも、筋肉内脂肪のレベルが高く、それがインスリン感受性を低下させていることがある。
肥満とは関係なく、PCOS患者はブドウ糖の処理能力が低い。PCOSの治療で焦点の一つになるのが骨格筋だ。特に、高強度運動はインスリン抵抗性の問題を改善するうえで重要な役割を果たす。
妊娠の可能性を高めるには、体脂肪を減らすだけでなく、分子レベルでインスリンの問題に対処する必要があるが、運動と適切な栄養は細胞シグナル伝達を強める効果がある。最近の研究によって、女性の不妊症の最も一般的な原因を理解するカギが筋肉にある、という認識が生まれつつある。
(本記事は、ガブリエル・ライオン著『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』からの抜粋です)
