「思春期VS更年期」宮下今日子(50)高校生の息子とのバトルの結末「大人を全員憎んだ自身の反抗期も思い出し」
俳優の宮下今日子さんは40歳を過ぎたあたりからメンタルの不調があったといいます。「中高生の子どもと母は、思春期VS更年期でお互いにホルモンに左右される時期」だと語り、その戦いは息子さんが早々に手を引いて収束したよう。宮下さんの息子さんが見せた、思わず拍手を送りたくなる大人の対応とは。
【写真】「当時は反抗期真っただ中」高校時代のボーイッシュな宮下今日子さん(3枚目/全10枚)
高校生の息子が気づいた母の異変
── 息子さんはこの春から大学生だそうですね。思春期の息子さんとはどう関係を築いてきましたか。
宮下さん:中高生の子どもと母って「思春期VS更年期」、お互いにホルモンに左右されるんですよね。うちは息子が早々に手を引いてくれたので、更年期の勝ちで思春期の負け。息子は大人しくしてました(笑)。
── 息子さん、何に気付いたんでしょう。
宮下さん:「ママの様子がおかしいときがある」と思ったみたいで。イライラには波があって、急にカッとなっているときもあれば、「凪」のときもある。「凪」のときに、息子に「ママあのときの言い方ひどかったんだけど」と言われて。こちらも凪のときは「そうだよね、ごめんね」となります。逆に私の機嫌が悪いときは何を言っても無駄だと思ったようです。
── 大人の対応ですね。
宮下さん:息子から「俺が怒られるときは、俺が悪いわけじゃなくて、ママの機嫌が悪いときだ」と言われたことがあって、ハッとして。「その通りだ!」と思いました。「そういうことなんで、それにちょっと対応してもらっていいですか」ってお願いしました(笑)。
── どんなことにイラッとしていたんですか。
宮下さん:私が話しかけて、息子の返事が「あ?」だったときとか。イライラしているときは、普段ならスルーできることも見逃せなくなっちゃって。「ちょっと待て待て」と。あとは弁当箱を出していないときもですね。弁当箱を出さない日なんて、しょっちゅうあるんですが、「凪」のときは「今日も弁当箱出してないな~」と思えるのに、イライラしているときは「なんで出してないのよ!」って。
「生きてて意味あったっけ」更年期で不安定に
── 同じことでも感じ方が変わってくるんですね。ちなみに、いつごろから更年期の症状があったのですか。
宮下さん:今思えば40歳を過ぎたあたりから、メンタルが安定しないと思うことが増えました。イライラもそうですが、マイナスな気持ちになりやすく、ちょっとしたことで「私なんて」という気持ちになってしまって。これまでの人生、そんな経験はまったくなかったのですが、ひどいときは「私って、生きてて意味あったんだっけ」という感情も出てきて。仕事も「誰の役にも立っていない」とか、「もう続けられない」と思っていました。
でも、 1週間ぐらいすると「あれ?誰かの役に立たなきゃいけなかったんだっけ?いやいや、私は仕事をやりたくてやってるんだった」って。こういう気持ちの繰り返しが周期的に起こるようになりました。
── 専門医の受診はされましたか。
宮下さん:ホルモンの検査はしましたが、そのときは特にひどいということはなく。私なりに調べて、自分に合った食事や栄養について考えるようになりました。私の場合はプロテインと鉄分を意識して取るようにしたら改善したんです。プロテインはどうしても栄養が不足しがちな大人女子にぴったりですね。鉄分は女性に大切な栄養素だといわれていると思いますが、なかなか食事から取るのは難しいです。とはいえ、サプリは毎日決まったものを飲み続けるのではなく、自分の体調に合わせて必要なものをそのときどきで選んでいます。
もし、今更年期にさしかかった方がいらしたら、自分が思っている以上に足りていないかもしれないので、プロテインと鉄分、意識してみるといいと思います。
息子の姿に「自分の反抗期を思い出した」
──「思春期VS更年期」の戦いは息子さんが引いてくれたとのことでしたが、反抗期はありませんでしたか?
宮下さん:ひとりっ子の息子は、そこまで目立った反抗をした感じはなかったです。こちらが何を言っても「普通」という言葉で返されるとか、言い方がそっけないとかその程度でしたね。
私は自分の反抗期がものすごく荒れていたので、息子の反抗期を待ち構えていて、「来い来い!」と思っていたんですけど、そんなものは全然ありませんでした(笑)。すごいのが来る覚悟をしていたので、思ったより「そうでもない」と思えたのかもしれません。
── 宮下さんの反抗期はどんな感じだったのですか。
宮下さん:もう、大人を全員憎む!みたいな(笑)。どうにかして大人をやっつけたいという感覚があって、学校でも先生をにらみつけて。先生が何かをちょっと間違ったりすると鬼の首を取ったかのように「間違えた~」と言う、めちゃ嫌なやつでしたね。
── わかりやすい反抗ですね!息子さんが大学生になって、だいぶ手も離れましたか。
宮下さん:それが、高校を卒業してもう終わったと思っていたのに「お弁当持っていきたいんだけど」と言い出して、またお弁当生活が始まりました。授業の合間に、学食に行って食べる時間があまりないらしくて。でも、そんなリクエストがちょっと嬉しくもあるという感じです。高校生の頃から、米がびっしり餅のように詰まった重たい弁当ですが(笑)。息子からまだ必要とされるうちは応えてあげつつ、成長を見守っていけたらと思っています。
取材・文:内橋明日香 撮影:矢島泰輔 ヘアメイク:Norikata Noda 写真:宮下今日子

