「完全に洗脳状態です…」SNS経由であわや100万の詐欺被害。北山みつき「ATM振り込みに手間取って」免れた一部始終
「私は用心深いから大丈夫」「ダマされるわけがない」と思いこんでいる人ほど、詐欺にあってしまう。歌手の北山みつきさんも、ふだんはどんな詐欺電話がかかってきても即シャットアウト。ただ、知り合いの大物タレントを名乗る人物とは、世間話から始まって、お金の話が出たのはそれから3か月後のこと。まんまとダマされそうになった内幕を聞きます。
【写真】あのサンコンさんの第3夫人⁉︎夫とラブラブな北山さんの日常(11枚目/全14枚)
なりすましの巧みすぎる懐の入り方に騙されて
── ギニア出身のタレント、オスマン・サンコンさんの「第3夫人」として知られる、歌手の北山みつきさん。実は昨夏、親交のある大物有名人のなりすまし詐欺に遭い、あわや約100万円を振り込む寸前までいったといいます。一体、何があったのでしょうか。
北山さん:私自身、自分が詐欺にダマされるなんて夢にも思っていませんでした。自宅に怪しい電話がかかってきたとしても、「あなた、詐欺ね?」と言い返して電話を切るくらい、ふだんから警戒して、シャットアウトしてきたんです。
でも、今回は手口がまったく違いました。相手は私が直接知っている大物有名人を騙る人物でした。業界の大先輩で私にとっては絶対的な存在です。Facebookで連絡が来て、そこからメッセンジャーでやりとりするようになったのですが、そんな方から直接、連絡が来たら「失礼があってはいけない」と思って、返事をしないわけにはいかないじゃないですか。言葉の選び方やフレンドリーな空気感もご本人にそっくりで、疑う余地もなく完全に信じ込んでしまったんです。
── ふだんはガードを固めていたのに、そこまで相手を信じ込んでしまったのはなぜでしょう。
北山さん:なりすまし人物の懐の入り方が、ものすごく巧妙だったんです。連絡が来るのはいつも、私が仕事から帰宅し、ホッとひと息つく夜22時~23時頃。「おお、みつきちゃん!ちょっとこの間の件だけどさあ」と、親しげなメッセージが届くようになりました。
毎日、「仕事お疲れさま」と労ってくれたり、長い文章で私の話を親身になって聞いてくれ、「大丈夫、みつきちゃんの夢はきっと叶うから」なんて励ましてくれるんですよ。大物で多忙な先輩が、こんな夜遅くに私のために時間を割いて気にかけてくれるなんて…と、その「優しさ」にすっかり心を奪われてしまいました。
3か月にも及ぶやりとりのなかで、いつのまにかその時間が日々のルーティンになっていたんです。疲れて目がしょぼしょぼしているのに、「帰ったら今日のできごとを報告しよう」と、無意識にスマホを操作する自分がいて。気がつけば、そのやりとりが私の「心の支え」にもなっていたんです。今思えば、完全に洗脳状態ですよ…。
── 3か月も…。それだけ毎日のようにやり取りしていたら、疑うという発想自体がなくなっていきそうです。そこから、どうやってお金の話になっていったのでしょうか。
北山さん:会話のなかで、「今、いちばん力をいれていることって何?」「最近どんなことに興味を持ってる?」と、さりげなく質問してくるんです。私も「仕事の話かな」と思って、自分のことを一生懸命に説明していました。
思えば、うまく情報を引き出されていたんですよね。そうしたら途中からLINEに移行させられて、「僕ね、ギニアを応援したいんだ。ギニアに学校を作ろうよ」と、持ちかけられたんです。「いい投資の話があるから一緒にやろう。僕の特別なコネクションでやっているものだから、人に言ったらダメだよ」と。
これが単なる儲け話だったら関心がないからスルーしていました。でも、「ギニアの学校」と言われた瞬間、完全に気持ちを持っていかれちゃって。ギニアに学校を作ることは、私が人生を懸けてエネルギーを注いでいるいちばんの夢です。相手はすぐに金銭を要求するわけではなく、長い期間をかけて私の夢やいちばんの急所を探り当て、そこをピンポイントで突いてきたんです。
100万円の振込寸前に本人に電話をしてみると
── 長年の夢を利用されてしまったのですね…。
北山さん:そこから、LINEのやり取りを通じて相手が指定するサイトに登録するように誘導されました。LINEのメッセージで「そこに緑のボタンがあるでしょう、そこを押して」と細かく指示されながら操作して、個人情報を入力してしまいました。
その後、お金を振り込むために銀行のATMへ。金額も100万円くらい。もしこれが1000万円と言われたらやらなかったでしょうけれど、出せない額ではないだけに、妙に信憑性を感じてしまったんですね。
でも、ATMの操作がよくわからなくて、事務所のスタッフに聞こうと電話をかけたんです。そうしたら、スタッフに「それ、大丈夫ですか?先に(大物芸能人)ご本人に直接、電話で確認したほうがいいんじゃないですか?」と止められて。そこで初めて、ご本人に電話をしました。
まずご本人の携帯にかけたのですが、留守電だったのでメッセージを残したんです。するとすぐに折り返しがかかってきて。「あの…最近、私とずっとLINEでお話しをしてますよね?」と聞いたら、「何言ってるの?それ、僕じゃないよ」と驚かれて。「ギニアに学校作るって、言っていませんでしたっけ?」と聞いても、「そんなこと言ってない」と。思わず血の気が引きました。
詐欺相手は心のスキをついてくる怖さ
── そこでようやくすべてが嘘だと発覚した。詐欺だとわかった瞬間はどんな感情でしたか。
北山さん:もう、あぜんとしちゃって。でも同時に「やっぱり…」と、思わず口から出たんです。3か月のやりとりの中で、違和感を持つ瞬間は何度かあったんですよ。でも「大先輩が嘘をつくはずがない」「ギニアに学校を作るんだ」と自分でその声を打ち消していたんですね。 警察にはすべてのやりとりを証拠として提出しましたが、お金を振り込んでいないので被害届としては受理されませんでした。
じつはそれ以降、海外の電話番号から怪しげな電話がいっぱいかかってくるようになって。きっと登録時に入力した個人情報が「騙しやすい人リスト」として流されたんでしょうね。3か月間、心を許してやりとりしていた相手が偽物だったというのは、本当にショックでした。
これまで、ニュースなど報道を見るたびに「なぜお年寄りはあっさり詐欺に騙されるんだろう?」と思っていたんです。でも今回、自分の急所に入り込まれる怖さが痛いほどわかりました。お年寄りは孤独な時間も多いですよね。そこに「おばあちゃん、大丈夫? 今日も話そうよ」と、毎日、優しくフレンドリーな言葉をかけられたら、相手に依存して、心を持っていかれてしまうかもしれない。だから「自分は絶対にダマされない」と、過信してはいけないと痛感しました。
── 違和感を覚えたタイミングで、まずは電話をかけて話していれば…。ためらいがあったのでしょうか。
北山さん:おっしゃる通りです。初期対応として、違和感を覚えた時点で直接、電話をかけていれば済んだ話なんです。でも、「相手は大先輩だから既読スルーするわけにはいかない」「多忙な方だからこんなことで電話したら迷惑かも」という遠慮が邪魔をしてしまいました。SNSが普及して文字だけでやりとりが完結してしまう時代だからこそ、アナログに立ち返って「本人の声(話)を聞いて確認する」ことの大切さをあらためて感じましたね。
取材・文:西尾英子 写真:北山みつき

