「人として最低な行為」コイン精米機に“くず米”混入で稼働停止に…「田んぼの泥のような臭いがする状態」運営者が明かした無人精米所のトラブルの実態
籾(もみ)つきの米や玄米を白米に精米できる無人設備「コイン精米機」。昨年の米価格高騰以降、利用者が増えるいっぽうで、無人運営ならではのトラブルも相次いでいる。4月下旬には、茨城県でコイン精米機を運営する男性が「機械を壊された」とXに投稿。湿った“くず米”が原因とみられる故障被害が波紋を広げた。
【証拠画像アリ】「数日間の売上が0円になりました」と運営会社が嘆く、精米機が壊れる原因となったくず米
「完全に機会損失になりますし、ショックは大きいです」
「人として最低な行為だよ」
Xにこう投稿したのは、茨城県小美玉市を拠点にコイン精米やコインランドリーを県内外で運営する男性だ。
投稿によれば、コイン精米機の中に湿ったくず米が入れられたために機械の内部に付着し、泥臭いにおいが付いてしまったために数日間の営業停止に追い込まれたのだという。
その被害の全容について男性はこう説明する。
「おそらく(利用者は)お米を精米機に入れて精米しようとしたのでしょう。だけど、入れたら詰まってしまった。水分を含んだ米が、機械にへばりついてしまったような状態でした。
それで、そのままヤバいと思って逃げてしまったのだと思います。私も毎日管理しに行くわけではないので、現場に行くと機械が故障した状態でした」
男性によれば、混入されたのは籾すり前の米で、籾の保管状態が悪く湿気を含んだか、あるいは秋の収穫後に乾燥させずにそのままにしてしまった籾ではないかという。
利用者の過失により機械が故障した場合、本来であれば利用者から運営会社に連絡を入れるべきところを、その利用者は連絡を入れないままその場をあとにしたという。
男性によれば3日から5日程度は機械が使えない状態で、「完全に機会損失になりますし、ショックは大きいです」と話す。
「直すのに労力がかかりました。業者さんに修理を頼むとやっぱりそれなりに費用がかかりますし。ですから、自分で全部機械を分解して清掃しました。
田んぼの泥のようなにおいがする状態でしたから、それが抜けるようにして。大変でした」
「悪意があったと断定はしていません」
男性によればこうした機械故障トラブルは頻繁に起こっており、その背景には地域特有の事情があるという。
「私の運営するコイン精米機は『籾すり精米』と言って、玄米ではなく、籾の状態から精米できます。
ですから、お米に殻がついていたために、中身がどういう状態なのか利用者が本当にわからなかったのか。それとも、くず米だと分かったうえで、悪意を持って混入させたのか。その点は判断できません。
米に籾殻がついていると、中身がくず米なのかどうかが分かりにくいので。何とも言えないですね。
茨城県でも、水戸市から北側の地域は籾で保管している人が多く、水戸市から南側は一般的な玄米で保管してる人が多いんです。このあたりは両方の人が混在しているエリアなので、特にトラブルが多いのかなと思います」
男性は次のように訴える。
「私の中では、トラブルを起こした利用者に、いたずらとか嫌がらせとか、悪意があったと断定はしていません。本当にこういうお米を食べなければ生活できないような人たちも今までに見たことがありますから。
そういうケースもあるので、どちらなのかわかりませんし、決めつけることも全くありません。ただ、私からしたら最低な使い方をしたなと思います」
「ちょっと水分が多いと機械の部品が壊れてしまうんです」
こうしたトラブルは茨城県だけの問題ではない。長野県岡谷市にあるコイン精米機でも、同様のトラブルに見舞われることはあるという。
精米機を運営する会社の担当者は次のように話す。
「大体の方は、精米中に機械が動かなくなった場合に連絡をいただきますが、故障したまま連絡なしにその場を去っていってしまう方もやっぱりたまにはいます。そういう場合は、次に利用したお客さんから連絡をいただいて修理に行く形になります」
同社はホームページでも、「水分の多いお米を入れない」「わらくずの多いお米を入れない」など、コイン精米機の使用にあたって注意喚起をしている。
「乾燥機にかけたお米は乾いていますが、この地域では『はざかけ』(稲の束を竿にかけて天日干しする方法)を行なう人たちが多いものですから、ちょっと水分が多いと機械の中でもち米のような状態になってへばりついてしまい、部品が壊れてしまうんです」
なかには米保存用の防虫剤のケースをそのまま精米機に入れてしまうことによる故障も発生しており、修理代は会社で負担するという。
前出の男性が指摘するように、米の保管方法は地域によって異なる。
一般的には玄米で保管する地域が多いが、中には籾の状態で保管する地域もあり、そうした地域には「籾すり精米機」が設置されている。
東京都の場合は玄米専用のコイン精米機が多く、その場合は「白米」「籾付き玄米」の投入が禁止されている。
記者が都内のコイン精米所を訪れると、利用者へ注意喚起を促す貼り紙が複数貼られており、「トラブルに関しては返金は一切受け付けません。併せて分解清掃修理費40,000円をご請求します」と書かれていた。
コイン精米所にかぎらず、無人販売所にはトラブルがつきものだ。だが、自らの行為で故障させてしまったのであれば、まずは連絡を入れることが最低限の義務ではないだろうか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
