バレエ&ミュージカルで「心身の教育の場」を。杉本美奈子さんの挑戦
子どもの習い事と言えば、女の子の定番はやはりバレエだ。きれいな衣装に身を包み、音楽に合わせて可憐に体を動かす。レッスン見学や発表会など、親も一緒に楽しめることも特長だ。そんなバレエだが、学年が上がるにつれやめてしまう子が多い。塾通いや部活といったハードスケジュールがバレエシューズを脱ぐことを強いるのだろう。しかし、本当にバレエは受験や学校生活の支障になるのだろうか?
今回、バレエやミュージカルの持つ魅力と可能性を信じ、それらを通じた人間教育を極める一人の女性を紹介したい。

杉本美奈子さん。東京・広尾のスタジオでバレエ・ミュージカル教室「ミニー・ストーリー・ダンス」を主宰する。自身は2歳の頃からモダンバレエを始め、クラシックバレエも学んだ。1979年にミスユニバーシティ日本代表となり、翌年からは女優「杉まどか」としてTBSドラマ「こおろぎ橋」「哀愁学園」等にレギュラー出演。その後、日大芸術学部を卒業。自ら演者として「ピーターパン」等数多くのミュージカルに出演すると共に、作り手として青山劇場「絆コンサート」、オペレッタ「メリーウィドー」の振付を担当するなど、実績を積んできた。
きっかけは、大学の卒論で「演劇教育」に取り組んだことだ。当時は校内暴力、いじめが問題視され始め、教育現場に大きな波が押し寄せていた時代だ。杉本さんは、「ミュージカル」を通じて子供達に心の教育を行いたいと考えていた。その後、舞台の芝居・ミュージカル・テレビドラマなどを経験して家庭に入り母親になったが、子育てを通じて学校教育や地域社会など子どもが育つ環境、人間関係について多くの不安と疑問を持つようになる。
子どもが成長して行く過程で学ばなくてはいけない「協調性」「優しさ・思いやりの心」や「多くの大人から温かく見守られることによって得られる安心感」「個性を認め合い自信をもつこと」が出来る場を作ろうと考え、「ミニー・ストーリー・ダンス」にたどり着いた。
「ミニー・ストーリー・ダンス」はクラシックバレエを基本に、ジャズダンスやボーカル、演技などをレッスンに取り入れ、世界にたった一つのオリジナル・ミュージカルを制作する。子ども達の持つ無限の可能性を、踊り・歌・芝居・そして様々なパフォーマンスによって表現してほしいという思いが込められている。
そして「優しさ」「愛」など、人として忘れてはいけない大切な心を舞台からのメッセージとして伝えていく。
ストーリーは生徒達の中から生まれた言葉をもとに制作。音楽を担当するご主人・小針克之助さんとの二人三脚で作り出される作品は単なる発表会の演目に留まらず、多くの子ども達が感動と達成感を味わうことのできる、完成度の高い作品として仕上がっている。作詞家の阿木燿子氏が
「出演者全員、生き生きとし、のびのびと歌い踊り演じ、輝いていた」
「音楽も素晴らしく、子供達の持つ躍動感を見事に捕えている」と絶賛するほどだ。
教室を立ち上げたのは、1989年10月のこと。東京・品川の小さな貸しスタジオで友人と二人で教室を開いた。当時、生徒は2歳児と3歳児のわずか2名。それから19年、着実に生徒を増やし、今では広尾に立派なスタジオを構えるまでに成長した。この間、どのような思いが彼女を支え続けたのか。
「私がこんなにも長く教室をやってこれたのは、根底に母親として、子の幸せを願う気持ちが強くあったから」と杉本さんは語る。自身が2児の母として子育てをした経験から、一人の母親としての目線で生徒に接し、一人ひとりを我が子のように温かく見守っている。
こうした杉本さんの取り組みは、生徒だけにとどまらず、保護者からも強い支持を獲得した。母の会「トゥインクルボックス」が結成され、わが子だけではなく多くの子どもの成長を見守り、助け合う場として、親たちの交流が図られている。ちなみに、現在この母の会の会長を務める小池すうさんが、杉本さんとミニーストーリーダンスを立ち上げた人物だ。以来、杉本さんと小池さんは二人三脚で歩んできた。

もちろん、生徒からの信頼も熱い。「ミニー・ストーリー・ダンス」立ち上げ当初の生徒2名は、デザインと音楽という道に進みながら、今も教室に参加し、杉本さんを助けているという。
「ミニー・ストーリー・ダンス」では毎年秋に発表会を行っており、今年も9月14日(日)の本番に向け日々レッスンが重ねられている。

杉本さんは生徒と保護者に向けた「お便り」の中で、「クラシックバレエを習うことで、体力・精神力・持久力・協調性・感性など色々な力が身につく。それらは、仮にダンサーにならなくても、人生できっと役に立つ。そして何百人というお客さんの前でライトを浴びて披露することで、さらに自信や達成感を得ることができる。出演する生徒全員が、本番当日胸を張って、思いきり実力を発揮できるよう願っている」とコメントしている。
さらに、ミニー・ストーリー・ダンスでは、子ども達による老人ホームの慰問を毎年続けるなど、社会貢献も果たしている。
子ども達の心の荒廃が社会問題になる今の時代に、伸びやかに自己表現できる場所があるというのは貴重なことだ。中学生になっても、大人からでも、いつまでも踊ることができる「ミニー・ストーリー・ダンス」、そして杉本美奈子さんに心から敬意を表したい。
「ミニー・ストーリー・ダンス」ホームページ
(編集部 鈴木亮介)
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今回、バレエやミュージカルの持つ魅力と可能性を信じ、それらを通じた人間教育を極める一人の女性を紹介したい。
きっかけは、大学の卒論で「演劇教育」に取り組んだことだ。当時は校内暴力、いじめが問題視され始め、教育現場に大きな波が押し寄せていた時代だ。杉本さんは、「ミュージカル」を通じて子供達に心の教育を行いたいと考えていた。その後、舞台の芝居・ミュージカル・テレビドラマなどを経験して家庭に入り母親になったが、子育てを通じて学校教育や地域社会など子どもが育つ環境、人間関係について多くの不安と疑問を持つようになる。
子どもが成長して行く過程で学ばなくてはいけない「協調性」「優しさ・思いやりの心」や「多くの大人から温かく見守られることによって得られる安心感」「個性を認め合い自信をもつこと」が出来る場を作ろうと考え、「ミニー・ストーリー・ダンス」にたどり着いた。
「ミニー・ストーリー・ダンス」はクラシックバレエを基本に、ジャズダンスやボーカル、演技などをレッスンに取り入れ、世界にたった一つのオリジナル・ミュージカルを制作する。子ども達の持つ無限の可能性を、踊り・歌・芝居・そして様々なパフォーマンスによって表現してほしいという思いが込められている。
そして「優しさ」「愛」など、人として忘れてはいけない大切な心を舞台からのメッセージとして伝えていく。
ストーリーは生徒達の中から生まれた言葉をもとに制作。音楽を担当するご主人・小針克之助さんとの二人三脚で作り出される作品は単なる発表会の演目に留まらず、多くの子ども達が感動と達成感を味わうことのできる、完成度の高い作品として仕上がっている。作詞家の阿木燿子氏が
「出演者全員、生き生きとし、のびのびと歌い踊り演じ、輝いていた」
「音楽も素晴らしく、子供達の持つ躍動感を見事に捕えている」と絶賛するほどだ。
教室を立ち上げたのは、1989年10月のこと。東京・品川の小さな貸しスタジオで友人と二人で教室を開いた。当時、生徒は2歳児と3歳児のわずか2名。それから19年、着実に生徒を増やし、今では広尾に立派なスタジオを構えるまでに成長した。この間、どのような思いが彼女を支え続けたのか。
「私がこんなにも長く教室をやってこれたのは、根底に母親として、子の幸せを願う気持ちが強くあったから」と杉本さんは語る。自身が2児の母として子育てをした経験から、一人の母親としての目線で生徒に接し、一人ひとりを我が子のように温かく見守っている。
こうした杉本さんの取り組みは、生徒だけにとどまらず、保護者からも強い支持を獲得した。母の会「トゥインクルボックス」が結成され、わが子だけではなく多くの子どもの成長を見守り、助け合う場として、親たちの交流が図られている。ちなみに、現在この母の会の会長を務める小池すうさんが、杉本さんとミニーストーリーダンスを立ち上げた人物だ。以来、杉本さんと小池さんは二人三脚で歩んできた。
もちろん、生徒からの信頼も熱い。「ミニー・ストーリー・ダンス」立ち上げ当初の生徒2名は、デザインと音楽という道に進みながら、今も教室に参加し、杉本さんを助けているという。
「ミニー・ストーリー・ダンス」では毎年秋に発表会を行っており、今年も9月14日(日)の本番に向け日々レッスンが重ねられている。
杉本さんは生徒と保護者に向けた「お便り」の中で、「クラシックバレエを習うことで、体力・精神力・持久力・協調性・感性など色々な力が身につく。それらは、仮にダンサーにならなくても、人生できっと役に立つ。そして何百人というお客さんの前でライトを浴びて披露することで、さらに自信や達成感を得ることができる。出演する生徒全員が、本番当日胸を張って、思いきり実力を発揮できるよう願っている」とコメントしている。
さらに、ミニー・ストーリー・ダンスでは、子ども達による老人ホームの慰問を毎年続けるなど、社会貢献も果たしている。
子ども達の心の荒廃が社会問題になる今の時代に、伸びやかに自己表現できる場所があるというのは貴重なことだ。中学生になっても、大人からでも、いつまでも踊ることができる「ミニー・ストーリー・ダンス」、そして杉本美奈子さんに心から敬意を表したい。
「ミニー・ストーリー・ダンス」ホームページ
(編集部 鈴木亮介)
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