野田佳彦氏

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 高市自民党の歴史的大勝に泣いたのは、立憲民主党にいた前議員たちばかりではない。失職した議員に仕えていた秘書たちも同時に職を失った。しかも国会議員の秘書は、次の事務所への再就職が一筋縄ではいかない職業だというのだ。

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経験を積めば「年収1000万円超」

 今回、中道改革連合はまさに死屍累々。立憲民主党出身の議員は144人から21人に激減し、123人が失職した。政策秘書、公設第一秘書、公設第二秘書が単純計算で369人失職したことになる。私設秘書を加えると、元立憲だけで一時的に職を失った秘書は500人をゆうに超える。

野田佳彦氏

 公設秘書は特別職の国家公務員。ベテラン秘書によれば、待遇は決して悪くはないという。

「500〜700万円くらいからスタートし、経験年数や年齢、第二、第一、政策の役職順で上がっていき、経験を積んだ政策秘書ならば1000万円超にもなる。厚生年金や退職金などの福利厚生もあります」(ベテラン秘書)

 一方、欠点は「まさに今回のような事態で生じる職の不安定さ」と語る。

「議員が議席を失えば即失職。各党に秘書会という互助組織はありますが、他の議員へあっせんをしてくれるわけでもなく、次の職場は原則、自力で探さなければなりません」(同)

2月は「タダ働きだった」秘書も

 公設秘書は1月23日の衆議院解散の時点で失職している。議員と同じで1日でも勤務すれば1カ月分の給与は支払われるので、議員が再選した場合は給与が途切れることはない。だが落選した場合、投開票日の2月8日までの扱いは議員次第だったという。

「金のない議員に仕えていた秘書は1週間タダ働きさせられた挙句、落選と同時に『ご苦労様でした』のケースもありました。一方、残務整理も含めて1〜2カ月ポケットマネーで雇い続けてくれる議員もいます」(中堅秘書)

 自身や実家が会社経営などをしている“太い”落選議員の場合だと、次の職場まできっちり面倒を見てくれるケースもあると言う。

「地元企業への就職を斡旋してくれたり、同じ待遇で払うから次の選挙まで事務所に残ってくれ、と言われるケースもある。ただ、立憲の場合は自民党に比べて2世、3世議員の割合は少ないので、余裕のある議員は少ない。基本は“自力で再就職先を探してください”となります」(同)

「チームみらい」が人気

 しかも、今回の場合は党も頼れない。

「党自体が縮小していますので、知り合いの先生のところへ紹介ともならない。参議院などで空きがあるところがあったとしても、パワハラが疑われるケースもあり決していい話とも限らない」(同)

 必然的に党外の空きを探すことになる。今回は自民党所属の新人議員が多く誕生しており、向こうも経験あるプロを欲しているはずだ。だが、

「立憲と自民では政治思想が真逆なので、マッチングしづらいのです」(前出・ベテラン秘書)

 嫌がる事情は、雇う側にも雇われる側にもあるという。

「例えば、“ザ・立憲”と言えるような大物議員や、左巻きで知られる議員事務所にいた秘書は、雇う方からするとどうしても抵抗を感じてしまいます。一方、秘書の方でも、政治家へのステップとして仕事していた政治思想の強い人の中には、これまでと正反対の政策を掲げている自民には行きたくないという考えの人もいます」(同)

 しかも、自民党は党として立憲出身を嫌がる傾向があると言われている。

「2012年に民主党が大敗したとき、『民主党出身の秘書を雇うな』という御触れが出回ったことがあった。今回も都連で同様の御触れが出ているというウワサがあります」(同)

 そんな中で早くも、自民の議員事務所へ転職した元立憲秘書もいるという。

「結局のところは秘書としての実力次第です。2009年には自民が大敗していますが、一時的に民主党へ行って、また自民党の議員へ戻ってきた猛者もいました」(同)

 立憲出身の秘書たちの中でいま“再就職したい事務所”として人気なのは、新たに11人が当選した「チームみらい」だという。

「政治思想の違いがネックにならなさそうだとして、売り込みに行こうなどと話している秘書は結構いますよ」(同)

 特別国会が始まったばかりだが、秘書たちの「再就職戦線」はまさに今、佳境を迎えているのである。

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デイリー新潮編集部