電撃就任の石井正忠監督、就任会見で涙ぐむ…これは胸を打たれる

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先日、Jリーグファンを驚かせたJ1の新監督人事。

J2降格の危機に瀕する大宮アルディージャは、残り3試合という状況で鹿島アントラーズを率いた石井正忠が新監督に就任すると発表した。

第31節を終え、J1の順位表で17位に沈んでいる。15位ヴァンフォーレ甲府との間には「4」の勝点差があり、逆転での残留はかなり厳しいと言える。

にもかかわらず、大宮のフロント陣は残り3試合という切羽詰まった状況で石井監督を緊急招聘。低迷するチームが新監督を招くケースは少なくないが、これほどシーズン閉幕が迫った状態で「ショック療法」を行うのは非常に珍しいといえる。

就任発表から2日が経過した7日(火)、大宮は石井監督の就任記者会見を開催。この中で石井監督は様々な質問に答えたのだが、思わず涙ぐむシーンがあった。

それは、記者から「NTT関東出身である以外、この厳しい局面を引き受けた決定打は何かあるのか」と問われた時のこと。

最初は普通に答えていた石井監督だが…(03:54から)。

石井 正忠(大宮アルディージャ 監督)

「まず、監督としてのオファーを受けるというのは嬉しいことなので。どういう状況であれ。

あとはやはり、クラブがこういう厳しい状況だからこそ私にオファーをくれたという、そういう強い意志を受けたので……それに応えないわけにはいかない。そういう気持ちもあります。

なのでこれは本当に本当に厳しい状況で、大変な仕事だと思うんですけど。

今までやってきた選手、コーチ、指導者、監督。

そういう私の経験を、この短期間でもクラブに何か残すことがきればという思いもあってこういう状況を引き受けることになったので。最大限の努力をしたいと思っています。

本当に言葉で言うのは簡単なんですけども、この状況をこの短い期間でどうにかクラブ全体として勝ち取りたいと思いますので。

話がまとまらないですけど」

石井監督は大宮の前身であるNTT関東サッカー部の出身。

在籍こそわずかに2年だが、順天堂大学卒業後に初めて加入した社会人チームであり、全てがスタートしたチームであると言って良い。

残り3試合というのはあまりにも短い期間だが、こうした状況でも残留を目指そうとするチームの姿勢に断ることができなかったようだ。

普段は冷静な石井監督であるだけに、就任会見という場でこのような感情的な表情を見せるのは非常に珍しいと言える。