【前園真聖コラム】第154回「ワールドカップ予選を厳しく振り返る」
苦しんだ理由は何か。まずアジア諸国の格差が縮まってきたことでしょう。安心して戦える相手が少なくなってきました。それから、日本代表の絶対的な核となる選手がケガや調子を崩してコンスタントに活躍できなかったことです。本田圭佑、香川真司、内田篤人などは力を発揮できませんでした。
本田や香川に頼らず予選を勝ち抜けたのは進歩でしょう。ただし、代わりの選手たちは日本代表のレギュラーに定着できたかというと、そうではありません。自分のクラブチームで出場できなくなったり、日本代表で安定したパフォーマンスを発揮しているとは言いがたいのです。
厳しい表現をすると、ここまで日本は「その場凌ぎ」で予選を乗り切ってきたと言えます。層が厚くなり、そのぶんそのときに調子のいい選手が見つかりやすくなったから助かりました。
守備ラインから中盤は何となく固まってきました。ですが、特に2列目の選手はまだ誰もレギュラーを取れていません。今後、ワールドカップまで時間がない中で、日本は選手の競争とともにチーム作りをしていかなければなりません。
ただし、僕は楽観視している部分もあります。それは2010年南アフリカワールドカップの際、岡田武史監督は直前までメンバーも戦術も探り続け、ベスト16という結果を出したからです。2014年ブラジルワールドカップの際は、チームを固めるのが早くて最後は苦しみました。もしかすると、直前まで選手を決めず、モチベーションを高く保つのがいいのかもしれません。ぜひ、いいほうに転んでほしいと思います。
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1973年生まれ。横浜フリューゲルス、ヴェルディの他、ブラジルなどでプレー。アトランタ五輪では、主将として28年ぶりに五輪出場を決めた。2005年引退後は解説の他、少年サッカー普及に従事。2009年、ビーチサッカー日本代表としてW杯に出場。ベスト8に貢献した。
