新社会人に聞く理想の上司に、スポーツ界からイチロー、長谷部誠、松岡修造の3人がトップ10入りしている。

 僕はフレッシャーズにほど遠い年齢だが、彼らが選出されたことには何となく共感できる。その一方で、プロ野球やJリーグの監督が、ひとりも選ばれていないことに驚く。楽天を日本一へ導いた星野仙一監督も、巨人を率いる原辰徳監督も、イマドキのワカモノには理想の上司ではないのだ。テレビのCFに出ている、アルベルト・ザッケローニ監督も。
 
 日本代表というチーム内におけるザックは、理想の上司となっているのだろうか。彼は日本語をほとんど話せず、多くの選手は簡単なイタリア語しか理解できない。通訳を介したコミュニケーションに気軽さはなく、形式ばった雰囲気になりがちである。
 
 そもそも日本人のメンタリティとして、選手側から監督に話し掛けるのは難しい。ここで重要な役割を担うのはコーチだが、日本代表はイタリア人スタッフで固められている。2002年の日韓W杯における山本昌邦コーチのような監督と選手のパイプ役は、現在のチームに見当たらない。

 アドバイザーも見当たらない。
 初めてのワールドカップで背番号10を背負う香川真司は、大きくて重いプレッシャーを感じるはずである。最終ラインで重責を担う吉田も、初のワールドカップとなる。

 吉田とコンビを組む今野は、4年前のW杯のメンバーだ。しかし、ピッチに立ったのはデンマーク戦の数分間だけだ。

 遠藤、長谷部、本田、川島らのW杯経験者はいる。ただ、彼らもまた重圧を背負う。キャプテン長谷部はチーム内の調整役を果たしてきたが、まずはとにかくコンディションを取り戻すことに専念させたい。スタメンとして試合に関わることのないメンバーのなかに、良き相談相手がほしいのだ。
 
 先週行なわれた日本代表候補のトレーニングキャンプを受けて、「サプライズ」というフレーズが目につくようになってきた。攻撃のスーパーサブとなる驚きが求められているが、経験豊富なアドバイザーも必要だ。ザックのもとでプレーしてきた中村憲剛はもちろん、F・マリノスでリーダーシップと献身さを発揮する中村俊輔も、僕には魅力的に映る。