何度となく議論されながらも結論に至っていないテーマが、ここにきてまた浮上している。

 Jリーグのシーズン制だ。

 きっかけはアジアサッカー連盟(AFC)のチャンピオンズリーグになる。通称ACLは2月または3月にグループステージ出場をめぐるプレーオフ、4月からグループステージといったスケジュールで、同年内に決勝までが行なわれてきた。

 しかし、2023―24シーズンは8月開幕で、グループステージまでが23年内に開催される。ノックアウトステージは24年2月以降で、決勝が同年5月だ。UEFAのチャンピオンズリーグと、ほぼ同じスケジュールになっている。秋春制のカレンダーに沿ったものだ。

 それに対してJリーグは、春秋制である。

 今シーズンのJ1リーグの日程と、ACLの日程を重ね合わせてみる。J1リーグの最終節は12月3日で、ACLのグループステージ最終節は12日または13日だ。J1リーグからACLに出場する横浜F・マリノスと川崎フロンターレ、それにサンフレッチェ広島か浦和レッズ(※)は、J1リーグの最終盤にACLとの並行日程を消化していくことになる。さらに、リーグ戦を終えたあとに、もう一度ギアを入れてACLに臨まなければならない。

 J2からACLに出場するヴァンフォーレ甲府は、11月12日にリーグ最終節を終えたのちに、ACLのグループステージ5節と6節を戦う。ACLの4節まではリーグ戦との並行日程だ。J1昇格プレーオフに出場することになると、5節以降も厳しいスケジュールでの戦いとなる。

 Jリーグのクラブがノックアウトステージへ勝ち上がると、違う種類の問題に直面する。ラウンド16は24年2月に予定されているが、今年のスケジュールならJ1リーグの開幕前だ。負けたら終わりのホーム&アウェイに、真剣勝負から遠ざかった状態で臨むのは難しいだろう。

 準々決勝に勝ち上がっても、依然として開幕直後だ。4月以降開催の準決勝まで勝ち上がれば、コンディションのフレッシュさはメリットになるが……。

 アジアにおけるプレゼンスを維持向上するためにも、ACLは軽視できない。選手の移籍についても、秋春制のほうがメリットは見つけやすい。日本人選手がヨーロッパへ移籍する場合も、ヨーロッパから選手を獲得する場合も、シーズンが同じほうが何かとスムーズだ。

 また、夏休み期間の試合を減らすことは、選手を蒸し暑さから解放することにもつながる。すなわち、ゲームのクオリティが上がることに寄与する。秋春制への移行は、大きな意味で日本サッカーのレベル向上を促す、とも言える。
 
 こうして視線を外へ向ければ、秋春制への移行はメリットがある。一方で、視線を内側へ向けるとまた違う現実が浮かび上がる。

 秋春制への移行でネックとなるのは、降雪地域のチームをどうサポートするのかだ。モンテディオ山形、ブラウブリッツ秋田、ヴァンラーレ八戸、いわてグルージャ盛岡らは、プレシーズンの屋外でのトレーニングが難しい。2月のシーズン開幕後も、アウェイゲームからスタートするのが通例となっている。

 2023年シーズンでは、J2の山形は開幕節から4節までアウェイゲームの連続だ。秋田、八戸、岩手は、3試合連続のアウェイゲームである。

 シーズンの入りは、どのチームにとっても重要だ。勢いに乗れるのか、それとも躓いてしまうのかは、シーズン全体にも影響を及ぼす。アウェイゲームが連続するのは、できる限り避けるべきだ。

 秋春制へ変更したら、降雪地域のチームは長期ロードが必至だ。1月、2月はホームゲームの開催が難しいだろう。天候の急変で中止(実質的には延期)となる試合も出てくることが予想される。