こうして視線を外へ向ければ、秋春制への移行はメリットがある。一方で、視線を内側へ向けるとまた違う現実が浮かび上がる。

 秋春制への移行でネックとなるのは、降雪地域のチームをどうサポートするのかだ。モンテディオ山形、ブラウブリッツ秋田、ヴァンラーレ八戸、いわてグルージャ盛岡らは、プレシーズンの屋外でのトレーニングが難しい。2月のシーズン開幕後も、アウェイゲームからスタートするのが通例となっている。

 2023年シーズンでは、J2の山形は開幕節から4節までアウェイゲームの連続だ。秋田、八戸、岩手は、3試合連続のアウェイゲームである。

 シーズンの入りは、どのチームにとっても重要だ。勢いに乗れるのか、それとも躓いてしまうのかは、シーズン全体にも影響を及ぼす。アウェイゲームが連続するのは、できる限り避けるべきだ。

 秋春制へ変更したら、降雪地域のチームは長期ロードが必至だ。1月、2月はホームゲームの開催が難しいだろう。天候の急変で中止(実質的には延期)となる試合も出てくることが予想される。

 ドイツ・ブンデスリーガのようにウインターブレイクを採用して、1月、2月はリーグ戦を行なわないことにしたらどうか。週末だけでは日程を消化しきれず、平日のナイトゲームが増えそうだ。そうなると、観客動員に悪影響が生じる。

 Jリーグが春秋制を導入している理由のひとつに、小中高校の夏休み期間に試合をして観客動員を延ばしたい、というものがある。秋春制への移行で7、8月の試合が減り、そのぶん冬の試合が増えたら、かなりの確率で観客動員は減少するだろう。

 秋春制にも春秋制にも、メリットとデメリットがある。言いかたを変えれば、どちらを採用しても、課題を抱えることになる。

 個人的には、秋春制にトライしてみたい。

 たとえば、移行1年目のシーズンは昇降格をなしとして、現時点で指摘されてきた課題の解消に取り組んでみる。

 昇降格をなくすことは、リーグ戦の見どころを奪うことになる。それでリーグ戦が成り立つのか、という疑問はもちろんある。

 なしではなく、昇降格のチームを減らす対応でもいい。

 あるいは、J1残留やJ2昇格、J2残留、J2昇格のプレーオフを実施し、通常より参加できるクラブを増やす、でもいい。見どころを担保するやりかたは、いくらでもあるはずだ。

 繰り返しになるが、秋春制でも春秋制でもプラスとマイナスがあるのだ。だとすれば、可能な限り多くの賛同を得られる方法で、とにかくやってみるというのが大切ではないだろうか。

※浦和レッズがACL2022で優勝した場合、2022年J1リーグ3位のサンフレッチェ広島に代わって出場する。