この記事をまとめると

■ランドクルーザー300系の納期は4〜5年と驚くべき長さ

■後から登場したレクサスLXもまた同様の状況になっている

■ユーザー、販売店、中古市場にもマイナスの影響がある

海外優先のデリバリーが納期遅延の原因

 2021年に発売されたランドクルーザー(300系)の納期を販売店に尋ねると「短くて4年、長ければ5年近くを要する」という。

 なぜそこまで納期が長いのか、新型コロナウイルスの影響なのか。開発者に尋ねると、以下のように返答された。「ランドクルーザーは、生産総数の内、約50%を中東で売る。次に多いのは、オーストラリアとロシア(発売時点)で、それぞれ生産総数の20%を占める。残りの10%を日本などの市場で分け合うから、納期が4〜5年に延びた。そして中東の人気は予想以上に高く、納期が一層遅延する傾向が見られる」。

 つまりランドクルーザーの納期が長いのは、新型コロナウイルス以前に、日本市場に向けた割り当て台数が少ないからだ。

 そして2022年に入って発売されたレクサスLXも、販売店では「納期は4〜5年」としている。レクサスLXとランドクルーザーは、両方ともトヨタ車体の吉原工場(愛知県豊田市)で生産され、エンジンやプラットフォームなどの基本部分も共通だ。納期が同程度に延びるのも納得できる。

 ただし納期が4〜5年を要すると、ユーザーには多大な迷惑を掛けてしまう。納車されるのが契約から4〜5年先となれば、職種や勤務先によっては、海外へ転勤していることも考えられる。

 販売店も困る。未解決の案件が、長期間にわたって残るからだ。販売店では「納車を待っているお客様がいる以上、時々連絡を入れる必要もあり、負担は小さくない」という。

あおりを受けて中古の異常な価格高騰を招いている

 さらに中古車市場も混乱する。現行型のランドクルーザーやレクサスLXの納期が長引いたことで、先代型の中古車価格まで高騰しているからだ。たとえば先代ランドクルーザーの中古車価格は、高年式の車両になると、800〜1000万円に達する。先代型の新車価格は、最も高いZXでも最終型が700万円弱だったから、中古車はそれよりも100〜300万円高い価格で売られている。

 先代レクサスLXの中古車価格も、1000〜1300万円が多い。先代型の新車価格は、最終型が1100万円少々だったから、これも中古車価格が新車時の価格を上まわる。いわゆるプレミアム価格が付いて売られているわけだ。

 今のような状態は、中古車市場の混乱だ。トヨタは影響力の強い企業だから、中古車市場や流通の混乱を招かないように配慮する必要がある。商品を欲しいユーザーに対して、安定して継続的に届けることも、顧客満足度の大切な要素だ。ランドクルーザーで失敗したなら、その教訓をレクサスLXでは生かすべきだった。