熊谷はスコットランド戦でもキャプテンとしてチームを統率。見事に今大会初勝利に導いた。写真:早草紀子

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[女子ワールドカップ・フランス/グループステージ2節]日本2−1スコットランド/ロアゾン・パルク
 
 フランスで開催されている女子ワールドカップで、日本代表は6月14日のスコットランド戦で今大会初勝利。グループステージ突破に向けて、大きな勝点3を獲得した。
 
 目を引いたのは、積極性だった。立ち上がりからハイプレスを仕掛けてボールを奪えば、テンポ良くパスをつないでスコットランドのゴールに迫った。
 
 23分に岩渕真奈の、37分に菅澤優衣香の得点が生まれ、前半のうちに2点のリードを奪えたのは、そうしたアグレッシブな姿勢があったからだろう。
 
 圧倒的に攻めてはいたものの、ノーゴールに終わった初戦のアルゼンチン戦とは、迫力という部分で明らかに成長が見られた。
 
 キャプテンの熊谷紗希も、苦しんだ初戦との違いを話す。
 
「自分たちからアクションを起こしたところ。やっぱり自分たちがゴールを奪わないと勝てないので。前半の立ち上がりから、前からいこうと意識してやっていた。後ろはカウンターの対応を、そこだけは気を付けようとみんなで話し合って臨みました」
 
 自分たちからアクションを起こすという、本来の“なでしこらしさ”を取り戻したスコットランド戦は今大会のひとつのターニングポイントになるかもしれない。ここから波に乗る可能性は十分にある。
 
 もっとも、熊谷は味方のパスミスをかっさらわれて失点したシーンを「あの時間帯につないだ方が良かったのかというところは、自分たちが考えなければいけないところだと思う」と振り返りもする。
 
「まずもう一度チームとして反省をして、あとは良い準備をして、イングランド戦に良い形で臨めたらと思います」
 
 収穫と課題を語ったキャプテンは、あくまで冷静に次の試合を見据えている。

構成●サッカーダイジェスト編集部