Photo by Leo Hidalgo

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 SMAPの突然の解散発表で大揺れになっている芸能界。今年の12月いっぱいで解散と公表されているが、ファンが最後の望みとして期待しているNHK『紅白歌合戦』出場は絶望的と言われ、さらに長年続いていた冠番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の終了も確実となっている。そんな中、SMAPの“後釜”として後輩のKinKi Kidsが急浮上する事態が起きている。その背景には、ジャニーズ事務所内の複雑なパワーバランスが絡んでいるという。

■紅白、スマスマの後継にKinKi Kidsが最有力

 今年3月以降、SMAPは一切の歌番組出演やコンサート活動をしておらず、ファンにとっては5人揃ってのライブが最後の願い。その舞台として期待されているのが通算23回の出場を果たしている『紅白歌合戦』だ。

『スポーツニッポン』によると、ジャニーズ事務所は「最後に出場できればとは思う」との意向を示しているが、現状では「100%ない」と同紙は断言。それほどグループ内の亀裂は根深く、さらに『紅白』に出場するくらいならファンのために25周年記念コンサートをするべきとの意見もあり、出場は絶望的のようだ。

「NHKサイドは大トリを6度も務めたSMAPの出場枠を空けており、最後の舞台をつくろうと出演を説得するようです。ですが、どうしても出場できないと判断すれば代わりに別のジャニーズグループを入れることになる。その最有力候補として浮上したのがKinKi Kidsです。KinKi Kidsはシングル36作連続オリコンチャート1位というギネス記録を更新し、今年からデビュー20周年イヤーに突入。昨年8月にNHKの音楽特番『いのちのうた』の総合司会を務めるなど“貢献度”も申し分ない」(芸能関係者)

 さらにグループ解散とともに終了するとみられる『SMAP×SMAP』の後継番組を、KinKi Kidsが担当するとの情報も噴出している。

「今年初めのSMAP分裂騒動の当初から『スマスマ』の打ち切り案が浮上し、後継番組を担当するグループとしてや関ジャニ∞などの名前が挙がっていました。しかし、解散によって番組終了が不可避となった現在はKinKi Kidsに一本化されつつあるようです。本来なら『スマスマ』の後番組はゴタゴタのイメージが残るので貧乏クジのようなもの。嫌がるグループの方が多い。しかし、KinKi Kidsは過去に『LOVE LOVEあいしてる』『堂本兄弟』(共にフジテレビ系)などに出演し、フジテレビや番組スタッフとの関係が強固。さらにデビュー当初からSMAPに可愛がってもらっていた縁もあり、SMAP解散で空いた穴を埋めるのに嫌とは言わないでしょう」(前同)

■ジュリー派の「独占」を防ぐための苦肉の策?

 KinKi Kidsなら人気も実力も十分。だが、本来であれば分裂騒動によって退職した元チーフマネジャーI女史が“SMAPの弟分”として売り出していたKis-My-Ft2が妥当との声もある。また、SMAPほどの巨大グループの穴を埋めるなら事務所のエース格であるや関ジャニ∞でなければ難しいという意見も根強い。なぜ、いずれの番組の後継もKinKi Kidsの名が浮上しているのか。

「ジャニーズ事務所内にSMAPらを育てたI女史の派閥と、や関ジャニ∞などを手掛ける藤島ジュリー景子副社長(50)の派閥があったのは公然の秘密でしたが、それとは別にジャニー喜多川社長(84)のお気に入りで構成された中間派があります。I女史の退職以降、SMAPの問題はジャニ―喜多川社長が直々に担当し、現在のSMAPは“ジャニーさん預かり”のような状況です。そのジャニー派の筆頭といえるのがKinKi Kids。ジャニー社長は自分と同じマンションに堂本剛(37)を住まわていたほどKinKi Kidsに信頼を置いていますから、SMAPの後継枠という難しい状況も二人ならこなしてくれると考えたのでしょう」(前出・関係者)

 また、これは事務所内のパワーバランスを調整することにもつながるという。

「もしジュリー派がSMAPの後継枠を独占してしまえば、木村拓哉(43)を除く独立組だった4人のSMAPメンバーは解散後に事務所内の居場所を失い、いずれ離脱してしまうでしょう。それを防ぐためにもジャニー派が後継を担当し、権力が一極集中しないようにしなければならない。SMAPメンバーの離脱だけは避けたいジャニー社長の苦肉の策といえるでしょう」(前同)

 ひとまず後継の最有力候補は決まったようだが、まだまだ問題が続発しそうな気配。SMAP解散の激震は今後もジャニーズ事務所を揺るがすことになりそうだ。

文・佐藤勇馬※個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、ネットや携帯電話の問題を中心に芸能、事件、サブカル、マンガ、プロレス、カルト宗教など幅広い分野で記事を執筆中。著書に「ケータイ廃人」(データハウス)「新潟あるある」(TOブックス)など多数。