ブラジルは27日にロンドンのエミレーツ・スタジアムで行われたスコットランドとの親善試合に2−0で勝利したが、全得点を決めたネイマールが、人種差別を受けたと訴えた。

ブラジル代表の報道官によると、サントス所属でチェルシーやレアル・マドリーが獲得に興味を示していると報じられている19歳のネイマールに対してバナナが投げつけられ、試合中には人種差別的野次が浴びせられたという。

以前は、ヨーロッパ各地のスタジアムで人種差別的ファンから選手にバナナが投げつけられることがあったが、最近はそういう行為は姿を消していた。

ネイマールは前半にケガの治療を受けた際にはスコットランドのファンからブーイングを浴びたが、バナナはブラジルのサポーターが多く陣取ったあたりから投げられており、犯人は見つかっていない。

ネイマールはSportvに対し、「人種差別的雰囲気は本当に悲しいね。僕への野次がすごかった。PKを蹴るときだって、スタジアム全体が野次を飛ばすんだ。悲しいよ。でも、もうこれ以上のことを話す気はない。煽るようなことはしたくないから」と話した。

また、ピッチからバナナを取り去ったと言われるリヴァプールでプレーするルーカス・レイヴァは、「この世界に人種差別のはびこる余地はないんだ。ヨーロッパではそれが一番多い。でも、それを変えないと。誰だって平等なんだ。互いをリスペクトしなくてはいけない」と話した。

一方、スコットランド代表のサポーター組織であるタータン・アーミーの代表は、「ネイマールがブーイングされたのは、試合途中でケガしたふりをしているように思えたからだ。タータン・アーミーに人種差別は存在しないし、もしそんなことがあっても自分たちの手ですぐに撲滅する。それに1982年のブラジル戦で現代のタータン・アーミーが誕生したわけで、ブラジルという国と代表チームには常に親近感を覚えてきた。私に関する限り、ブラジルに完敗だったことは認めるし、試合終了後には僕らは彼らのフットボールの素晴らしさを賞賛したよ」と話している。