飲食店に図書館に洋服屋まで入った新車ディーラーがオープン! 「ディーラー離れ対策」としてこれから流行る可能性大

この記事をまとめると
■愛媛県今治市に「モビリティスクエア今治」がオープンした
■ディーラー内に喫茶店などの異業種が入った新しい店舗として注目されている
■新車ディーラーに入るのは昔から敷居が高いのでクルマ以外の要素で集客するのは有効だ
新車ディーラーにプラスαという形態が増えつつある
2025年11月16日(日)、愛媛県今治市に「モビリティスクエア今治」が開業した。これは株式会社トヨタオートモールクリエイトが提案する異業種コラボマッチングサービスの第2弾になるとのことであった(第1弾は静岡県浜松市内にあるトヨタユユナイテッド静岡 浜松和田店敷地内にサーティワンアイスクリーム 浜松和田店が2024年12月15日に開業している)。

モビリティスクエア今治では、既存店舗のトヨタカローラ愛媛 今治店の建て替えを機に敷地を拡大し、新築したショールームにドトールコーヒーショップ、サーティワンアイスクリームが出店、さらに敷地内別棟としてワークマンカラーズが出店、そのほかコミュニティスペースやキッズ(図書館併設)スペースも用意されており、単なる異業種コラボ店だけではなく、地域拠点としての役割も兼ね備えている。

なおこのようなトヨタ系ディーラーと異業種のコラボ店舗は今後2026年を予定として、北海道や九州地区でもプロジェクトが進んでいるとのことであった。
令和の今では、新車を買うということをタイパ(タイムパフォーマンス)の悪いこととして敬遠する人が目立っている。店舗へ出かけても売っているのは新車と付随するクルマ用品のみ。商談がスムースに進み、早めに契約までまとまったとしても、数時間かかることもザラとなっている。サラリーマンならば、せっかくの土・日曜日の休日のいずれかを新車購入に費やさなくてはならないのだから、確かにタイパが悪い。

購入してからの定期的な点検などでクルマをもち込めば一定時間作業が終わるまでショールーム内で待っていなければならないのも苦痛に思う人も多いようだ。アメリカでも状況は同様で、歯医者と新車ディーラーにはすすんで行きたくないと、巷ではよくいわれていると聞いたことがある。ただ、アメリカでは契約が成立すれば、購入した新車にその日中に乗って帰ることができるところが日本とは大きく異なっている。
異業種のコラボは新車購入を検討させるいい機会に
変わったところでは、アジア地域だと新車ディーラーが軽食レベルの食事を無料で提供していた。まったく縁がなく、食事だけというのはかなり厳しいような気もするが、取材で訪れた筆者にも、「昼どきだからどうぞ」とわりと気軽に提供を受けたし、何台も同じ店で乗り継いでいるような馴染み客は食事目的で来ることもあるとのこと。食べ物でつるとも表現できてしまうのだが、敷居を下げるのには十分効果があるようだ。

そもそも新車ディーラーは、日用品の買い物をするより敷居が高い印象がいまだに強い。筆者の経験からしても、敷地内にクルマを入れた瞬間にセールスマンなどスタッフが出迎えにやってくるのはうれしい反面、何かしらのプレッシャーも感じてしまう。買わなければ申し訳ない、そんな気もちになってしまう独特の雰囲気は、たしかに昭和のころと大きく変わっていない。

商談にかかる時間はさておき、とりあえず同じ敷地内に異業種店舗があれば、今までの敷居の高い印象は改善に向かうことは間違いないだろう。コーヒーを飲みに(またはアイスクリームを食べに)来たついでに、新車のショールームへ足を運んでもらうことも可能となる。
昭和のころに比べれば、世間のクルマに対する興味が薄れてきていると筆者は感じている。日本車は世界的に見ても性能がよく、耐久性能も太鼓判ものとなっているので、新車を買うのは面倒臭いとして、ついつい10年ぐらい乗り続けてしまって、不具合や部品交換などが目立ってきたから仕方なく新車に乗り換える……といった人も少なくないようである。

そのような、新車ディーラーに足が向かない人たちを刺激して乗り換えタイミングを早め、わかりやすくいえば回転をよくする効果も異業種コラボ店舗にはあるものと考えている。
