服役中の病死、二審も国敗訴 渋谷暴動の元受刑者遺族

1971年の東京・渋谷暴動事件で殺人などの罪で無期懲役が確定後、服役中に病死した星野文昭元受刑者の遺族が、国に計約6300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は26日、国に計約2200万円の支払いを命じた一審東京地裁判決を支持し、双方の控訴を棄却した。
一審判決によると、元受刑者は徳島刑務所(徳島市)で服役中の2019年、肝臓の腫瘍が判明。東日本成人矯正医療センター(東京都昭島市)に移されて手術を受けたが、2日後に死亡した。
一審は、適切な治療をしなかった医師と、がんを把握していたのに仮釈放に向けた対応を取らなかった刑務所長の注意義務違反を認定。一方、がんの疑いを医師が告知せず、治療内容を決める自己決定権が侵害されたとする遺族側の主張は認めなかった。
高裁の古谷恭一郎裁判長は、手術が適切に行われていれば「生存していた高度な蓋然性がある」としたが、医師の告知義務違反は法的保護の対象外で、一審の判断は相当だと結論付けた。
判決後の記者会見で、元受刑者の妻暁子さんは上告の方針を示した。

