脳科学者の茂木健一郎氏が、自身のYouTubeチャンネルで「『振れ幅』は、広くて良い」と題した動画を公開。現代の「当たり障りのない」価値観に縛られず、人間の持つ多面的な「振れ幅」を解放することの重要性を語った。

茂木氏は、これまで数々の創造的な人物と交流してきた経験を振り返り、「創造的な人は非常に振れ幅が広い」と指摘する。現代は「いい人」や「当たり障りのない話」がメディアで流通しやすい時代であり、クリエイターも表向きには世間の基準に合わせた表現をしていると分析した。

しかし、彼らの裏側や本音の領域では、「ダメなものはダメ」「好きなものは好き、嫌いなものは嫌い」といった、現代で「政治的に正しい」とされる枠に収まらないダイナミックレンジを持っていると解説。日本の現状として、本質的な議論ではなく形式から当てはめていく「学級委員みたいなこと」を言う傾向が強いと述べ、そうした価値観の中だけで活動していると「創造的にはなれない」と警鐘を鳴らした。

さらに茂木氏は、今の世の中で「良し」とされる範囲内だけで考えたり感じたりしている人は「ろくなものを生み出せない」と厳しく断じる。表現として表に出す際は現代の基準に合わせればいいと前置きしつつも、内面では多面的な見方を持たなければ、物事を深く理解することはできず「立体的な造形だって深くならないし、光と影もちゃんと立ち上がらない」と語った。

最後には、視聴者に向けて「皆さんの振れ幅を解放していただきたい」とメッセージを送った。自身の中にブラックな部分を持つことを肯定し、さまざまな角度から世界や人間を見つめることが、本質的な理解やクリエイティブへの第一歩であると締めくくっている。

チャンネル情報

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