「AirKnock」の導入で30分以上の長時間利用が64%削減したというデータも。混雑していな時間は広告が流れるため、混雑抑止のための技術とは気づかないかも

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 車でも、ロボットでもない。日本が世界に誇る技術――それは、トイレだ! AI、各種センサー、データ解析、ロボット技術--人々の「できたらいいな」を実現する最新Techが注がれるのが、トイレの個室。下腹部の非常事態救う最新トイレをご覧あれ!
◆行列問題を“やさしさ”で解決

 まずは、国も問題視する行列問題。それをおたがいさまな“やさしさ”で解決する技術が、トイレ混雑抑止サービス「AirKnock」だ。入室をセンサーが察知し、個室の混雑状態や滞在時間を設置されたタブレットで可視化する。長時間利用といっても理由はいろいろ。体調不良で長時間こもらざるを得ない人もいる。退出を強制するのではなく「トイレの空き情報」を伝えることで、次の人の存在に思いを馳せさせる。

「開発には利用する方が、快く次の人に譲る気持ちになれることを大切にしました。開かずの扉の前で今か、今かと冷や汗をかきながら待った経験は、多くの人にあるはず。その切迫感を知っているからこそ、みなさん、アクションに移してくれるのだと思います」(株式会社バカン・金子譲治さん)

◆プライベート空間をAIの“目”が見守る

 トイレは公共の場にあっても、完全なプライベート空間であるため、人の目が届かないからこそ事件や事故の現場となりうる。そのリスクをいち早く察知するシステムも登場している。トイレ内異常検知システム「Xeye(エックスアイ)」だ。天井に設置したセンサーが「人」であることを認識すると、まずは骨格の動きを捉える。AIによる行動解析で、「人が倒れている」「長時間の居座り」「破壊行為」などを判定し、即座に通知する仕組みだ。

「骨を透視するわけではなく、頭、肩、膝、足首など24の関節ポイントをつなぎ、姿勢推定アルゴリズムで行動パターンを解析しています。記録されるのはいわば“棒人間”の動きだけ。プライバシーが守られるのでトイレの個室にも設置できるのです」(三協エアテック・古橋憲治さん)。

 開発には、排泄の動作に加え「コートを掛ける」「清掃を行う」といったトイレでの通常行動も学習。そのうえで、転倒や暴力行為などの異常行動を大量に学ばせ、正常/異常の識別精度を高めている。

「導入いただいたある施設では、破壊行為があった際に出入り口の防犯カメラ映像とXeyeのデータを照合して犯人特定につながりました」
 
 抑止効果も期待できるほか、急病の早期発見のために導入をする高齢者施設や工場もあるそうで、『Xeye』がトイレにもたらしたのは安心感、そのものなのかもしれない。

◆少子高齢化はトイレにも。ロボット開発できれいを維持

 中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)は、どこよりもいち早くトイレ美化に挑んできた企業だ。サービスエリアは、長時間移動の疲労やストレスを癒す場所。トイレも単なる排泄の場ではなく、心身のオアシスであるべき---。同社は民営化以降、こうした考えのもと、トイレ環境の質の向上に力を注ぎ、清掃管理に対しても次世代技術の開発や導入が進んでいるという。

 例えば、「スマートSAマネジメントシステム」は、トイレの利用状況に加え、トイレットペーパーや水石鹸、除菌クリーナーの残量、さらには臭気や温湿度、CO2までセンサーで検知。利用状況はリアルタイムで共有され、最適かつ効率的な補充タイミングを導き出す。

 そして、目下独自開発中なのが、「狭小部清掃ロボット」だ。設定時間になると充電ステーションから出動し、男子トイレの小便器下やその床を自動清掃する。そう、的を外したおしっこや勢いよく飛んだ飛沫で汚れたあの、箇所である。

「男子トイレの小便器の下は狭く、『エリアキャスト』と呼ぶ清掃スタッフが床にしゃがみ手鏡を使って手で掃除をしています。キャストの高齢化は進んでいますし、将来的には雇用の確保も難しくなる。そうした課題感から開発が始まりました」(NEXCO中日本・吉谷直人さん)