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世界中で愛され続けるウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの約90年にわたる壮大で輝かしい歴史を、原画やスケッチ、コンセプトアートなど約500点の超貴重なアイテムとともに紐解いていく企画展「ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法」。現在、東京・お台場の日本科学未来館で実施中だが、その来場者20万人達成を記念して1日、「ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ 塔の上のラプンツェル エクスペリエンス」powered by teamLabの特別展示も期間限定(9月24日まで)でスタートした。そこで、その『塔の上のラプンツェル』の特別展示、そしてアート展そのものも全体レポート!

まず「ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ 塔の上のラプンツェル エクスペリエンス」powered by teamLabは、ディズニー長編アニメーション第50作記念作品『塔の上のラプンツェル』の象徴的なワンシーンを、無数のランタンで埋め尽くされた空間内だけで表現した、インタラクティブなインスタレーション作品のこと。映画の中で大切な人を想う気持ちを象徴的に表したランタンの前にゲストが立ち止まり、手をかざしたりなどするとランタンが強く輝いて、その光が周囲のランタンに伝播していくというもの。その様子は、ランタンが舞い上がっていく映画内のワンシーンそのもので、実に神々しい。

この『塔の上のラプンツェル』の特別展示とは異なるフロアで展開中の「ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法」は、ミッキーマウス生誕作『蒸気船ウィリー』から最新作の『モアナと伝説の海』(6/28 デジタル先行配信、7/5 MovieNEX発売)まで、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの約90年間の歴史をゆかりのアイテムの数々でプレイバックしていく企画展。とりわけディズニー・アニメーション・リサーチ・ライブラリーのキュレーターが厳選した約500点の原画は日本初上陸ばかりのもので、初期のミッキーマウスから最新作の原画までを一堂に展示する展覧会は、今回初めての試みだそうだ。

エントランスを抜けて中に入って行くと、鮮やかな鉛筆画によるミッキーマウスの原画が目に飛び込んで来る。実はそのうちのひとつは、ミッキーマウスの真のデビュー作とも“言うべき”『プレーン・クレイジー』の原画。ミッキーマウスの公式デビュー作は1928年公開の『蒸気船ウィリー』だが、実はその少し前に『プレーン・クレイジー』という作品が誕生していたのだ。諸事情で公開の順番は前後したものの、この両作品の貴重な原画を同時に初公開している。昭和3年に描かれたとは思えないいきいきとしたタッチに感動!

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの歴史を紐解いてみると、ディズニーは表現を追求すると同時に新しいテクノロジーを積極的に巧みに使うことで、まるで魔法がかかったような世界を作り上げ、人々を魅了してきたことがよくわかる。たとえばディズニー・スタジオが発明した革新的な撮影技術であるマルチプレーン・カメラも好例で、「ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法」では、テクニカルな歴史も解説している。

マルチプレーン・カメラとは、まずたくさんのセル画をそれぞれ異なった距離に配置して、カメラを上部に固定する。次に、それぞれのセル画を異なるスピードで動かすことによって、立体ではない二次元の絵に三次元的な奥行きや空間を加えた技術のことだ。それこそ現代ではCGで簡単に再現できる技術だが、約80年前の「白雪姫」や「ピノキオ」で多く採用され、魔法のような威力を発揮した。会場内では満月のアニメーションを例に用いて映像と言葉で解説が行われているので、当時の最新鋭3D技術について詳しく学べる。

これまでディズニーが世に放ったイマジネーションとイノベーション=いのちを吹き込む魔法の数々を、原画やアイデアスケッチなどの貴重な資料の数々で紐解いていく「ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法」。『「ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ 塔の上のラプンツェル エクスペリエンス」powered by teamLab』特別展示とともに、ディズニーのアニメーション制作の舞台裏についてじっくり学べる夏になるはずだ。

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