■「品位を保った生活」は日に日に難しくなっているのでは

小室圭・眞子夫妻にとって「運命の7月」が始まった。

7月26、27日に3度目の司法試験が待ち構える小室圭さんにとってはもちろんだが、もしまた不合格なら、夫の給与の減額か場合によっては解雇もあり得るため、眞子さんも気が気ではないはずだ。

異常な物価高に見舞われているアメリカ、それもニューヨークは、そこで暮らす人たちに“命の危機”さえ感じさせているように思える。

「元皇族としての品位を保った生活」は日に日に難しくなっているのではないか。

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米国へ出発する秋篠宮ご夫妻の長女小室眞子さん(中央)と小室圭さん(左)=2021年11月14日午前、東京・羽田空港 - 写真=時事通信フォト

私が以前からここで書いているように、ニューヨークを離れ、物価も家賃も安いところへ引っ越すことも現実になるかもしれない。

そのすべてのカギは、小室圭さんの合否にかかっているのだ。

2月の試験が不合格になった後、フォーダム大留学生活を支援してもらってきた奥野総合法律事務所の奥野善彦弁護士に電話をかけ、

「合格には5点足りなかった」と話したといわれる。

週刊文春(7月7日号)によれば、「合格最低点は二百六十六点。二百六十一点だったとすれば、惜しかったと言っていいでしょう」(法曹関係者)。だが、自らも3度目の挑戦で合格した、狛・小野グローカル法律事務所の山中眞人弁護士がこう語っている。

■初受験者は78%の合格率だが、再受験者は…

彼は1度目の7月試験に落ちた段階で、次の2月試験ではなく、翌年の7月試験に照準を定めたそうだ。

「米国の法律家の文章は独特で、たくさん問題を解いて慣れる必要がありますが、試験勉強に時間をかけたおかげでレベルアップできたと思います。“三度目の試験に落ちたら、自分の能力がないということだな”とも思えるほど勉強しました」

自分が持っている能力の限界まで追い込んで勉強しなければ合格するのは難しいようである。

だが、NY州司法試験協会の公式サイトによれば、2010年以降、全体の合格率は2月の試験よりも7月の試験のほうが高いそうだ。小室圭さんにとって朗報ではないのか?

週刊文春によれば、そうではないという。初めての受験者と再受験者の合格率は大きく異なるからだ。

昨年の7月試験では、初受験者の合格率は78%だったのに、再受験者は18%しかなかったという。しかも、再受験者だけに限って見てみると、2010年以降、新型コロナ蔓延で特殊な条件だった2020年を除くと、2月試験よりも7月試験のほうが合格率は低く、近年はほぼ20%台で推移しているというのである。

受験するたびに合格率は下がり、3度目になると5人に1人弱ぐらいしか合格できない、かなり狭き門のようだ。

■「三度も落ちれば、普通は解雇です」

合否の結果が出るのは10月下旬。週刊誌というのはバラ色の未来を描かないのが習性だから、また今度も落ちたら2人の生活はどうなると、まるでこの世の終わりが始まるような書き方である。

悲劇のシナリオは、現在、小室圭さんが勤めているローウェンスタイン・サンドラーでは、年収2000万円超をもらっているといわれているが、その年収の大幅ダウンか、最悪、解雇されるかもしれないというものだ。

NY州の弁護士によると、「弁護士になることを前提で雇われていれば、不合格でも年収は維持されるのが一般的だ」というから、7月の試験に落ちても、その先何度でも受験すれば、年収は確保できるのではと考えてしまうのだが、現実はそう甘くないと週刊文春はいう。

「折しも、ビザの切り替え時期は合否が出る直前の十月一日です。小室さんは現在、就労ビザ『H-1B』の取得手続き中と見られ、切り替えまでは学生ビザの延長措置が適用される。このビザは就職先が当局に申請するものです」

しかし、先の弁護士は、

「就労ビザを申請したとしても、三度も落ちれば、普通は解雇です。そうでなくても、給与額など契約内容は見直すのではないか。そもそもNYでは『at will(随意雇用)』といって、雇用契約はいつでも解除できることが殆どです」

■事務所と眞子さんに甘えるようでは“人間失格”ではないか

さらに悲観的な見方をすれば、3度も不合格になったら、小室さん自ら弁護士事務所を辞すのではないか。何が何でも弁護士資格取得を目指すのなら、24時間勉強して、その間は妻の収入に頼ると心を定めるのだ。私の知り合いの日本の弁護士にも、浪人中は妻に支えてもらったというのが何人もいる。

そうした“覚悟”もなく、事務所が置いてくれるからと甘え、眞子さんとの新婚生活を楽しみながら、片手間で試験に合格しようなどと考えているとしたら、弁護士になる前に“人間失格”かもしれない。

週刊誌よりも厳しいいい方になってしまったが、今、小室圭さんに必要なのは、生活の面倒も仕事も与えてくれる優しい人間ではなく、「今のままでは、君は眞子さんを幸せにしてあげられない」と直言する友人、知人ではないのか。

いつまでも妻の財布をアテにする人生で、君はいいのか?

週刊文春のいうように、小室さんは、おカネに苦労して生きてきた。

「結婚が決まってからも『月たった2万円のふたりごはん』という本を購入するなど、倹約志向は際立っていました」(宮内庁担当記者)

■“覚悟”を決めているのは眞子さんではないか

おカネに苦労しながらも、国際基督教大学(ICU)に入り、留学もし、安定して稼げるNY州の弁護士になろうと努力してきたのではないか。カネのない“つらさ哀しさ”を人一倍知っているはずの小室さんだからこそ、石に齧(かじ)りついても弁護士資格を取得し、眞子さんに不自由のない暮らしをさせるはずだと、秋篠宮家ばかりではなく、国民の多くも期待していたはずである。

外国のメディアで唯一、複数の専属カメラマンを擁して小室夫妻の動向を追いかけている、英国紙デイリー・メールは、6月25日付で、小室さんを支える眞子さんの境遇についてこう言及している。

「眞子さんは、小室さんと結婚するために皇室から離れることになった。彼女は結婚後、人生で初めて姓を持ち、現在は『小室眞子』として知られている。彼女はまた、旅行のためにこれまで要らなかったパスポートを取得する必要が生まれた。眞子さんは皇居に住むことができなくなり、たとえ2人の結婚生活が離婚で終わったとしても、彼女は決して皇室に戻ることはできない」(6月27日、NEWSポストセブン)

離婚で終わったとしてもとは穏やかではないが、小室眞子さんは背水の陣で、これからの人生を生き抜いていこうという“覚悟”を持ってきているといいたいのであろう。

写真=iStock.com/Rawf8
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Rawf8

■「お金のことは心配ありません」と語っているそうだが…

だが、週刊誌報道で伝えられる小室圭さんの言動からは、そんな危機感も覚悟も感じられない。

女性自身(7月8日号)によれば、7月の試験に落ちたら、経済的な理由から、小室夫妻が帰国を余儀なくされるのではないかという見方があるが、小室圭さん自身は、それを気にする様子はないという。

「資金の出どころははっきりしませんが、小室さんも知人には『当面、お金のことは心配ありません』と、語っているそうです」(NY在住の日本人ジャーナリスト)

この当面が、どのくらい先までを指すのか分からないが、彼のいう「お金」というのは、眞子さんが“持参”した皇族費であることは想像に難くない。

これまでの報道を見る限り、大学時代を通じて、彼がアルバイトに精を出したり、株などに投資したりして稼いでいたという噂もなかったから、結婚前も結婚後も、頼るのは妻の持参金しかないはずである。

英語では、「a husband who sponges off his wife」というそうだが、妻の臑(すね)を齧る亭主、日本語では髪結いの亭主の典型である。

1億円ともいわれる眞子さんの蓄えだが、結婚以来かなり目減りしていると思われる。だが、万が一、小室圭さんが今回の試験にも受からず、今の事務所を解雇されるという最悪の事態になった場合、今のような優雅な生活を続けられるのか疑問である。

■カレーパンが520円、キュウリ3本が964円…

日本でも伝えられているアメリカ、それもニューヨークの物価高は想像を絶するといってもいい。

「NYでは新型コロナの収束に伴う消費の増加や、ウクライナ危機による原油価格の高騰などにより、物価が急激に上がった。労働統計局のデータによれば、一年で消費者物価指数が六・三%も増加しました。インフレの影響で、米国の家庭が余分に支出している額は毎月四百六十ドル(約六万二千円)に上るという試算もあります」(現地記者=週刊文春)

さらに、NY在住のフリージャーナリストの田中宏明氏は同誌で、

「二十年以上NYで暮らしていますが、これほどの物価上昇は初めてです。以前は一ドルだったサイダーが二・五ドルに値上がりしたり、カレーパンが日本円で五百二十円もする。万引きも増加していて、雑貨店では商品が鍵付きのガラスケースに入れられています」

サンデー毎日(7月10日号)でカリフォルニア州に住む土方細秩子氏が「米国の凄すぎる物価高事情」をリポートしている。

ロサンゼルス郡では、粉ミルク777グラム缶が円換算で5983円、東京の価格の2.8倍。キュウリ3本が964円、東京の4.5倍。トイレットペーパーが36個入りで3671円で、東京の4.3倍。アルミホイルが30センチ×40メートルが1631円で東京の2.2倍だという。

■たとえ年収2000万円でも楽に暮らせない

すごいのは住宅価格で、ロサンゼルス郡で5月に売れた住宅の中央値は日本円にして1億1696万円で、これでも4月に比べると0.6%下がったそうだ。

電力も東京の1.7倍と、日本ならクーラーも使えず熱中症患者があふれかえるだろうが、ロサンゼルス郡ではまだそこまでいかないのは、給与水準の高さのためである。

米労働省が5月25日に発表したデータによると、ここの平均週給は昨年12月、前年同月比で5.9%増の1698ドル(日本円で約23万円)で、月給に換算すると日本円で約100万円、年収は1200万円にもなる。

高いといわれる東京の男性の平均年収の約2倍だが、物の値段が高いために、暮らしは楽ではないようだ。

シングルマザーは、「以前はスーパーで必要な物は何でも買っていましたが、今は値札を見て、一度かごに入れた物を棚に返すことが増えました」と語っている。

こうして見てみると、小室圭さんが年収2000万円をもらっていたとしても、NYでの暮らしが楽ではないことが分かる。弁護士資格をとって3000万、4000万、1億円稼ぐようにならないと、安楽な暮らしは望めないのではないか。

■2人の住む家が「月約50万円」に上る恐れも

余談だが、アメリカではここにきて労働組合を結成する動きが急だという。アップルストアでは、先月中旬、労組結成を問う投票が行われ、賛成多数で成立した。こうした動きを食い止めたい企業側は、最低時給を22ドル引き上げる提案をしたが、NY中心部の従業員たちは、時給30ドル(日本円で約4060円)にせよと要求しているという。

日本の最低時給は、一番高い東京でも1041円である。

食費の値上がりも大変だが、最も深刻なのは家賃だろう。NYの家賃は基本的に1年更新だそうだが、今年に入ってから、大幅な増額を呈示されるケースが増えているという。「契約更新で家賃が一千ドル(約十三万五千円)も上がったという話も聞きます」(週刊文春=現地記者)

2人が住んでいるのはマンハッタンの南西部、ヘルズ・キッチン。週刊文春によれば、一番安い1ベッドルームでも月約40万円だというが、仮に20%値上がりしたら、月約50万円、年に家賃だけで約600万円にもなる。

しかも、「眞子さんも、ファッションこそ、アイテムをうまく着まわして、あまりお金をかけないようにしているようですが、最近では割高なオーガニック食材なども並ぶ、あまり庶民的とはいえないスーパーで買い物をしています」(前出のNY在住のジャーナリスト=女性自身)

■眞子さんが勤務先のMETで展示会を開く?

2人の楽しみまであれこれいうつもりはないが、6月7日のデイリー・メールが報じたように、眞子さんがメトロポリタン美術館(MET)で「無報酬のボランティア」をしていられる余裕は日に日になくなるかもしれない。

女性自身によれば、最近、眞子さんはNY市内の美術館をめぐり、研究に余念がないという。折しもMETでは特別展「Kimono Style」を開催しているそうだ。

写真=iStock.com/peterspiro
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/peterspiro

「着物が世界中に与え続けている影響を検証するというテーマで、着物や浮世絵、工芸品などを展示しているのです」(NYの美術界関係者)

その関係者によれば、眞子さんが、

「『私もMETで日本美術のすばらしさを伝えられるような展覧会を開きたい』と、珍しく感情を高ぶらせた様子で、美術関係の知人たちに語っていたと聞きました」

では、眞子さんが展示会を開くにはどうすればいいのだろう。皇室ジャーナリストがこう話している。

「まずは皇室に代々受け継がれた美術品が多数収蔵されている、三の丸尚蔵館(※)から借り出すことでしょう。元内親王が『皇室由来の美術品を海外に紹介したい』ということであれば、大義名分としては十分だと思います」

※宮内庁ウェブサイトによると、現在約9800点の美術品類を収蔵。皇室に代々受け継がれた絵画・書・工芸品などの美術品類に加え、故秩父宮妃の遺贈品、香淳皇后の遺品、故高松宮妃の遺贈品、三笠宮家の寄贈品などがある、という。

■これは小室圭さんへの「独立宣言」かもしれない

しかし、昨年9月末に伊藤若冲の『動植綵絵』が国宝に指定されているが、国宝はまず日本の地方美術館に貸し出されるので、すぐには国外への貸し出しは難しいようだ。

そこで、今一つの手段として「人間国宝」の人たちの作品を集めるというやり方があるという。

眞子さんが総裁を務めていた日本工芸会は重要無形文化財保持者らを中心に組織しているし、6月14日には、後任として妹の佳子さんが総裁に就任している。

新旧の総裁が尽力し、METで「JAPAN工芸展」をやるとなれば、実現性はより高まるというのである。

しかし、そうなれば、また皇室を利用しているという批判が高まるかもしれない。だが、先の皇室ジャーナリストは、

「眞子さんが“自分で展覧会を開きたい”と言っていたということは、“皇室を自分の仕事に利用している”という批判も甘んじて受ける覚悟を決めているということだと思います。

小室さんの司法試験の結果に一喜一憂するような生活から脱し、自分で未来を切り開いていくつもりなのでしょう」

と語っている。

それは、「私は自立して生きるから、圭さん、あなたも私から経済的にも自立して生きてください」という、眞子さんから小室圭さんへの「独立宣言」かもしれない。

小室圭・眞子夫妻にとって、何としても負けられない7月は始まったばかりである。

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元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。
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(ジャーナリスト 元木 昌彦)