16型16:10画面にRTX A5000のゴン攻め仕様。ThinkPad P1 Gen4日本版は37.8万円から
テレワークの普及などに合わせて、昨今市場が拡大しつつあるPCの一ジャンルが、ワークステーション(WS)市場。
昨今は、このジャンルと同じくGPU性能が製品選びで重要となるゲーム向けPCの薄型・軽量化技術を取り入れたことで、3D CADやモデリング、あるいは高解像度動画編集などが実用となる程の高性能ながら、WSとしては軽量な2kgを切るモデルが人気を得ています。
そうした中、ThinkPad Pシリーズを有するレノボ・ジャパンが、薄型・軽量モデル『ThinkPad P1 Gen 4』日本版を発売しました。受注開始は本日から、販売価格は37万8400円(税込)〜です。
本機はモデル名からも推察できるように、Gen 4、つまりP1シリーズの第4世代となる機種です。本体重量は約1.81kgから、本体サイズは約359.5×253.8×17.7mm(幅×奥行×厚さ:非タッチ画面仕様)からと、WSとしては薄型・軽量モデルという位置づけです。

前世代と比較した大きな特徴は、ディスプレイパネルがアスペクト比16:10となった点と(現行Gen 3では16:9)、GPUの世代交代および大幅強化(最上位ではNVIDIA RTX A5000 Laptop、最廉価のCPU内蔵でもインテル最新世代へ)、そしてCPUの世代交代(インテル製“Tiger Lake-H”ベースの第11世代 Core/Xeonに)などです。

もちろん、GPUとCPUの強化に耐えるべく、冷却機構も大きく刷新。内蔵GPUのパワーに合わせた3種類の冷却ユニット(CPU+GPUクーラー)を用意し、さらにキーボード底面に“見えない空気穴”を設けるなど、ThinkPad全体として見ても新しい技術も導入されています。さらに5Gモデムもオプション選択が可能です。
なお、ThinkPad P1シリーズは、ビジネス向けモデル『ThinkPad X1 Extreme』のワークステーション版とも呼べる位置づけであり、海外ではX1 Extremeも本機の基本設計を継承したGen 4が発表されていますが、今回はそちらの発表はありません。
参考記事:ついにThinkPadでRTX 3080。16:10画面のX1 Extreme Gen4が海外発表(2021年6月)

ちなみに本機とX1 Extremeの大きな差として、本機ではXeonシリーズCPUやECC(エラー訂正機構)付きRAM、さらにはCADやクリエイター向け3Dアプリケーションの認証を得たワークステーション向けGPUの搭載が可能な点が挙げられます。つまり基本設計は同じでも、しっかりとワークステーション用パーツの搭載とチューニングがされている、というわけです。
とくにGPUはNVIDIAのアプリ動作認証『RTX Studio』をパスし、またその条件となるRTX Studioドライバもプリインストールされています。

まず目立つ特徴としては、アスペクト比が16:10の16インチ画面でしょう。パネルの種類はIPS液晶で、解像度は3840×2400ドットか2560×1600ドット。廉価構成でもいわゆる「WQHD+」解像度となるのがポイント。3840×2400ドット解像度ではマルチタッチ対応パネルも選択が可能です(他は非タッチ)。

また、3840×2400ドット解像度のパネルでは、X-Rite社の技術によるPantoneファクトリー・カラー・キャリブレーション(出荷時色較正)機能を標準搭載。出荷時の色差をデルタEで2以下に抑えるほか、そのデータはLenovoクラウドに保存されているため、いつでも出荷時の発色にリセットが可能です。

さらに外観上では、Gen3までと比べて底側のナローベゼル化が進んだことがポイント。外観からも最新モデルが感じられる仕様となっています。
一方、搭載可能なGPUでの注目は、やはり最上位となるNVIDIA『RTX A5000 Laptop』でしょう。これはGA102コアベースの製品で、CUDAコアは6144基と、デスクトップ向けの『GeForce RTX 3070 Ti』に匹敵する仕様の超高速モデルです。
この他に選択可能なGPUは、RTX A4000 LaptopとRTX A3000 Laptop、RTX A2000 LaptopにT1200 Laptop、そしてCPU内蔵グラフィックスと、幅広い仕様です。


そして注目となる冷却機構は、先述したようにGPUパワーに合わせて3種類。ただし最もシンプルなGPUなしモデル用でも、デュアルファン搭載でかなり大型です。
しかし一方でハイエンドGPU向けは、ヒートパイプに加えてベイパーチャンバーの搭載やファン形状の変更など、強力な(ゆえにコストが掛かる)仕様が取り入れられたタイプとなっています。

さらにキーボードは、底面側に空気穴(エアホール)を設けた新設計ユニットに。耐水性や対粉塵性能などは維持しつつ、CPUとGPUの熱設計に対して5〜7W相当の余裕度を設けるなど、その効果は決して小さくありません。


なお事前説明会では、US配列キーボードのみが展示されていましたが、日本語配列版も(もちろん)用意されるとのことです。
そしてCPUは、Tiger Lake-HことTDP 45W版の第11世代Core iベースが搭載可能。このクラスのワークステーションでは必須とも呼べるXeon W系に加え、Core i9とi7のHシリーズCPUも選択可能です。
それを支えるRAMは最大64GB、ストレージは最大4TB(2TB M.2 SSD×2基)と、こちらもワークステーションらしい強力な仕様となっています。

なお、ACアダプタは135Wと230Wの2タイプが内部パーツの構成によって付属。形状は現行モデルなどで(このクラスのThinkPadでは)おなじみの仕様。本体との接続端子もおなじみの“黄色い角形”です。

また、昨今のThinkPadではマイクやスピーカーの改善にも力が入っていますが、本機でもスピーカー位置がキーボード左右へと移動し(現行モデルでは底面側)、さらにスピーカー箱の容積も大型化。ドルビーアトモスにも対応します。
セキュリティの面では指紋センサーが刷新。電源ボタン兼用仕様となり、ワンタッチで電源オンからログインまでが行えるようになりました。さらに顔認証対応カメラを選択すれば、指紋+顔認証の便利な構成も可能です。


さらに拡張端子は、Thunderbolt 4兼USB 4(Type-C)×2基、USB 3.2 Gen1(Standard-A)×2基、HDMI、フルサイズSDカードリーダー、3.5mmヘッドセット端子、そして角形DC入力(電源)と充実。
ライバル機では端子数を減らしているモデルもありますが、このあたりのバランスは高級ThinkPadらしいところとでしょう。
主な仕様としては
本体サイズ……約359.5×253.8×17.7mm(幅×奥行×厚さ、タッチ画面モデルは厚さ18.2mm)
本体重量……約1.81kg(タッチ画面モデルは約1.86kg)
ディスプレイ(例)……16インチ/16:10、IPS液晶、3840×2400解像度、マルチタッチ対応
CPU……インテル製Xeon W/Core i9 Hシリーズ/Core i7 Hシリーズ
GPU……NVIDIA RTX A5000 Laptop/RTX A4000 Laptop/RTX A3000 Laptop/RTX A2000 Laptop/T1200 Laptop/CPU内蔵(Intel UHDグラフィックス)
RAM……最大64GB/DDR4-3200(SO-DIMM×2基)
ストレージ......最大4TB SSD(NVMe/PCI Express 4接続、本体側はM.2スロット×2基)
USB端子......Thunderbolt 4兼USB4 Type-C×2、USB Type-A(10Gbps)×2
映像端子……HDMI(フルサイズ)
拡張端子......フルサイズSDカードスロット、3.5mmヘッドセットジャック(入出力兼用)
無線通信......5Gモデム(オプション)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2
生体認証機能......指紋認証、顔認証(オプション)
搭載OS......Windows 10 Home/Pro/Pro for Workstations(すべて日本語64ビット版)
ACアダプタ……専用端子(135Wまたは230W)
といったところ。

このようにThinkPad P1 Gen 4は、2kgを切るワークステーションとしては、現状で最上位とも呼べるパーツ選択を可能とした「ゴン攻め仕様」。当然価格もそれなり以上とはなりますが、価格は2の次でも軽さとパワーを両立させたい、というユーザーにとっては、十二分以上検討に値するモデルと言えそうです。

なお同時に15.6インチ/16:9画面で約2.07kgからとなる、コストパフォーマンス重視モデル『ThinkPad P15v Gen 2』日本版も発売となりました。こちらは27万600円(税込)からとなっています。
Source:ThinkPad P1 Gen 4公式ページ 、 ThinkPad P15v Gen 2公式ページ
