清原和博“復帰プラン”を阻む「暴力団との音声データ」

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 覚せい剤取締法違反容疑で起訴された清原和博被告(48)の初公判が5月17日に迫っている。裁判の行方とともに注目されるのが、禊ぎを済ませた後の去就だ。スキャンダルにまみれたとはいえ、球史に名を残す活躍をみせた「番長」の知名度は高い。水面下では、「落ちたヒーロー」の“利権”をめぐって熾烈な暗闘が続いている。

「子どもたちとともに、もう一度チャレンジすればいい。クスリを断つことができて、反社会勢力とも縁が切れる」

 4月21日、都内のトークイベントに登場したのは、学校法人「日本航空学園」梅沢重雄理事長(63)。その場で清原の復帰プランについてこうぶちあげた。

 梅沢氏は2011年、高校の野球指導者として清原に直接オファーを出した経緯がある。今回、同氏が提案するプランは、設立計画を進めているドロップアウトした少年少女の更正施設に招き、野球人としての再生を促すというものだ。

■清原利権に群がる危ない面々

 清原の復帰を支援しようとするのは、この梅沢氏にとどまらない。

「炎の行者」の異名で知られる高野山 別格本山 清浄心院の池口恵観住職(79)は「清原君がまともになる道は“行”しかない。いつでも受け入れる準備はできている」と自身の元で修行を積むことを提案。

 かつて清原の後ろ盾となっていた大手芸能プロ幹部も支援者として名前が挙がっている一人だ。長年にわたる覚醒剤依存が明らかになったのみならず、暴力団との黒い交際疑惑も浮上するなど、イメージが地に落ちた清原に救いの手が絶えないのはなぜか。

「清原にはまだ商品価値が残っていると思われているからでしょう。これほどの不祥事を起こしてもなお、清原の人気は根強い。女優の酒井法子(45)をはじめ、過去にクスリで問題を起こした多くの芸能人がテレビ復帰を果たしている。ほとぼりが冷めた後のことを睨んで今のうちに“清原利権”に食い込んでおこうという狙いもあるはずです」(スポーツ紙記者)

 ただ、こうした動きは清原にとっていいことばかりではない。

 関係者によると、清原が暴力団関係者と交わした会話を録音した音声データの存在も取り沙汰されており、そのテープをめぐって不穏な動きもみられるという。

 前出の記者が語る。

「清原被告は日頃から山口組の有力団体との関係を周囲に吹聴するなど、複数の暴力団との関係が伝えられている。データはそうした清原の闇人脈の一端を明らかにする証拠となり得るものだけに、悪用してひともうけしようともくろむ者がいるという話です」

 かつて清原の「シャブ友」だったとされる実業家も事件を利用しようとした1人だ。この実業家は清原被告と現役時代からの顔なじみで、一時はスポンサー的立場にもいた人物だが、昨年2月に覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕されてからは敵対関係になっていた。

「清原被告に“口止め料”として金銭の支払いを暗に求めたこともあったようだ。裁判費用を稼ぐため、複数の週刊誌に自身が知る清原被告のスキャンダルを売り回ってもいた」(暴力団関係者)

 罪が露呈してもなお、かつての「ワル仲間」からカモにされる清原。裁判が終わっても悩みは尽きなさそうだ。

文・佐々木浩司(ささき・こうじ)※1980年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野は芸能、プロ野球、サッカーなど。主な著書に『洗脳のすべて』(宝島社)など。