横浜の下町「野毛」で発見! ″リアル深夜食堂″に行ってみた
ユーザーから投稿された「キニナル」情報を検証すべく「はまれぽ」が体を張って調査!
今回のテーマは…
<横浜のココがキニナル!>
マンガやドラマで深夜食堂というのがやっていますが、野毛にはまさにリアル深夜食堂と言われるようなお店が結構あるそうです。しらべてきてくれませんか?(Ichiさんのキニナル)
■深夜食堂とは?
『深夜食堂』と言えば、安倍夜郎氏が描く漫画のこと。2006年に『ビッグコミックオリジナル増刊』に登場し、以降テレビドラマ化されるなど、世間に広く知られる作品となっている。
そのタイトル通り、物語の舞台は深夜0時に開店する不思議な食堂。そのマスターと訪れるお客との人間模様を描いている。
深夜に開店する食堂。
いかにもフィクションの設定と思えるが、なんと横浜の野毛に同様のお店が存在するという。
しかしインターネットで調べてみるが、なかなか見つからない・・・。とその時、公式ではないものの「阿武茶」という名前の食堂を1件だけ発見することができた。そこは深夜の2時過ぎに開店し、朝まで営業する独特の営業形態を持っているそうだ。
それがもし本当ならば、まさに深夜食堂と言うべきお店に違いない。
さっそく、その真相を確かめるべく深夜の野毛に向かうことにした。
■深夜の野毛に行く
野毛に到着したのは火曜日の深夜2時頃。
平日の深夜ということもあり、歩いている人も少なく町はひっそりとしている。
事前に調べたところによると、「阿武茶」があるのは中区宮川町。日ノ出町駅からは徒歩4分ほどの場所だ。いったいどんなお店なのだろうか、高まる期待を胸に足を運んでみると。
到着したのは角地にあるビル。事前に調べていた住所では、ここに間違いないのだが、それらしいお店は見当たらない。
せめてお店の看板でもあれば確認もできるのだが、ただシャッターが閉まっているだけなので、確証が全く持てない。
時刻は深夜2時を回っている。本当に店はこの場所にあるのだろうか。
しばらく野毛の町を回って、時間をつぶしてみることにした。
ひっそりしているとは言え、さすが飲食街の宝庫。
ちらほらと開いているお店も見かければ、お店から出てタクシーを捕まえる人の姿もある。
歩いていると、日中にオープンし、夜遅くまで営業しているお店は幾つか確認できる。
お蕎麦の「東京庵」や「中華食堂 濱龍」などがそれだ。
ただ、今回探しているのはあくまで深夜にオープンするお店。
やはり、情報にある「阿武茶」以外に、そんなお店はなかなか見つからない。
その後、先ほどのビルを何度か確認するが、店が開く気配は感じられなかった。
■店が開いた!
諦めて帰りかけたその時、最後の確認と思って再びビルの前に来ると、閉まっていたはずのシャッターが開いている。
この時、時刻は3時5分。なんと、本当に夜中にオープンするお店が存在したのだ。
しかものれんをよく見ると、お店の名前は「阿武茶」ではなく、「阿武茶゛」。茶に濁点がついている。
開いたばかりで、まだお客さんは誰もいない。早速入店してみることに。
カウンターがあり、奥には4人ほど座れる座敷がある。恐らく16人も入れば満席になるようなお店だ。
50代の職人風の男性と、さらに高齢の女性が切り盛りしている。
正面のカウンターに座り、男性の店員にオススメの料理を尋ねてみると、「こっちが美味しいと思っても、口に合うかどうかは分からないからね」とのこと。確かに正論だが、そう言われると戸惑ってしまう。
壁にかかったメニューを見て悩んでいると、女性の店員が「初めて来た?刺身の盛り合わせにする?」と言ってくれた。助け舟とばかりに二つ返事をすると、「じゃあ、後はご飯とお味噌汁かな?」と勧めてくれるのでそれに従うことにした。
その後すぐに2人連れのお客さんが入って来たが店が空いていたからか、すぐに料理が出て来た。
ビールや焼酎などのお酒も取り揃ってるお店だが、「寒かったでしょう」と、温かいお茶を出してくれた。
盛り合わせの中身は、タコ、エビ、マグロ、鯛。食べてみるとどれも新鮮で非常に美味しい。
温かい味噌汁とホクホクのご飯も、シンプルながら新鮮な刺身を引き立てるには十分な料理である。
■店の名前はなんと?!
深夜に開く、なんとも不思議なお店。店主に聞きたいことは山ほどある。
女将さんは、男性の店員さんのお母様。ご主人が亡くなられた後は、母と子で経営しているそうだ。
ちなみに女将さんは70歳を超えており、息子さんは50代半ばだという。
ここ最近の、営業時間は午前3時から午前8時まで。
ただ常連のお客さんは午前10時頃までいる事が多く、実際に店を閉めるのはそれ以降になるそうだ。
そんな不規則な生活で大丈夫かと心配したが、女将さんは午後8時に寝て午前1時に起きる毎日。ご自身は「早寝早起きでしょ」と明るく答える。夜遅いのではなく、朝がすごく早いのだと考えると健康的な生活だ。
お客さんのほとんどは、野毛界隈の飲食店の方々。
自分の店が終わると、阿武茶゛に寄ってお酒を飲んだりご飯を食べて帰るのだそうだ。
午前4時を回るとお客さんも増え、カウンターはほぼ満席状態。隣にいた飲食店経営の女性に店の魅力を聞けば「アットホームなこと。魚が美味しいこと、癒されるので毎日来ますよ」と話してくれた。
その後、「お久しぶりです!3年ぶりに来ました!」と訪ねてくる男性も現れて店内は賑やかに。
すっかり深夜の憩いの場となっている。
また、「阿武茶゛(あぶぢゃ)」という店の名前は、実は女将さんの娘のあだ名ということも判明。
娘さんは小さい頃からはしゃぎ回る子だったようで、回りの大人が「危ない!危ない!」と注意する声を聞き、自分のことを「あぶぢゃ」と呼ぶようになったそうだ。
そのあだ名を、店の名前につけたのだと女将さんは話してくれた。
最後に、なぜ深夜に店を開くのか聞いてみたが、「創業以来58年もやってきているから、特に理由って言ってもねえ…」と、特別な理由は無い様子。ある意味、今もこうして賑わう常連客の需要によって形成されたた深夜営業なのかもしれない。
■さいごに
漫画や映画の世界同様、深夜になってからオープンする深夜食堂は実在した。
ただ投稿者の質問によれば「野毛には結構ある」とのことだ。
もし他に深夜から営業するお店があれば是非はまれぽ編集部までご一報いただきたい。
◆阿武茶゛(あぶぢゃ)
住所 神奈川県横浜市中区宮川町2-15
電話番号 045-242-9727
定休日 基本的に日曜日が定休日
おおよその営業時間 3:00-8:00
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