なぜ売れる無停電電源装置(UPS)?──用途拡大とシェア争い激化で市場が活性化【道越一郎のカットエッジ】
UPSの主要メーカーは、シュナイダー・エレクトリック(シュナイダー)とオムロン・ソーシアル・ソリューションズ(オムロン)。この2社で、販売台数の9割前後を占めている。そのほか、サイバー・パワー・システムやユタカ電機製作所なども販売している。22年秋ごろからシュナイダーのシェアが50〜60%程度まで上昇。それまでトップを争っていたオムロンを圧倒した。ところが市場全体では後退し、前年割れが散見されるようになっていた。昨年9月、22年8月以来丸1年ぶりにオムロンがトップシェアを奪還。以降、月替わりでシュナイダーとオムロンのトップシェア争いが繰り広げられるようになると、市場にも活気が戻ってきた。1月はオムロンが48.2%でトップ。シュナイダーが45.6%と僅差で2位を走っている。
1月現在で最も売れているのはシュナイダーの「APC RS 550 BR550S-JP」。最大容量330Wで、持続時間(最大負荷時の標準、以下同)は約3分だ。平均単価は1万8600円。次いで売れているのが、オムロンの「BW55T」。最大容量340W、持続時間は約3.6分、平均単価は1万9000円だ。いずれの製品も仕様、価格帯が似通っており、これらの売れ行きが両者のシェアを左右している。
UPSは、停電が発生した際に一定時間電力供給を継続するための装置。電源供給が断たれても、しばらくはPCなどの動作を維持できる。UPSから電源供給されている間にPCを正常に終了させれば、データ破損などを避けることができる。一時的にブレーカーが落ちたような場合や瞬間的に生じる停電「瞬停」による不具合回避にも有効だ。そのため、落雷が頻発する夏場に販売が増える傾向にある。長時間電源供給する装置ではなく、電源供給できる時間は最大負荷時で数分から数十分程度と短い。災害時など長時間にわたって電源を供給するためには、非常用発電機や大容量のポータブルバッテリなどが活躍する。UPSと非常用電源は用途によって使い分ける必要がある。(BCN・道越一郎)

