出場唯一の60台&ボギーフリー 岩永杏奈は首位に浮上し“アマ日本3冠”かかる最終日へ
「ショットが安定していて、前半は9ホール中8ホールはチャンスについてました」。3番で1.5メートルを沈めて最初のバーディを奪うと、5番パー3は左奥カラーからパターで打った7メートルの2打目をねじ込んだ。9番も3打目を4メートルにつけて伸ばす。後半も11番で1.5メートル、そしてティショットを左に曲げながら、池ギリギリで耐えた12番では10メートルをたたき込んだ。3日目はピンも厳しい位置に切られ、多くの選手が手を焼く一日に。平均ストロークは『74.35』で、3日間で最も難しい一日だった。そのなかで岩永は「67」で回り切った。60台を記録したのは、決勝に進んだ66人のなかでただひとり。ボギーなしで18ホールを終えたのも岩永のみと、まさに“異次元”のゴルフだった。ただ本人は、いつもと変わらぬ落ち着いた口調で、一日を振り返る。さらには「1、2メートルのバーディパットをきょうは3回くらい外しているので、そこはだいぶもったいないです」と、ちょっぴり不満も残るラウンドだったようだ。それでも、内側で燃える闘志は強い。「今年一番優勝したいと思っている試合です」とキッパリ言い切る。昨年の悔しかった思いが、気持ちをかきたてている。1年前は2打差の7位で迎えた最終日に「67」を記録しながら、優勝まであと1打届かなかった。「去年も、初日、2日目(61位、21位)に出遅れてしまった」。今年も同じような展開も頭をよぎったが、トータル8アンダーまで伸ばして首位に並ぶことに成功。帳尻を合わせた。「今年は上位で戦えているので、あすも守らずにバーディを取りたい」とリベンジへの力もたぎる。この大会を制すと、中学時代の2023年に勝った「日本ジュニア選手権(女子12歳〜14歳の部)」、24年に16位になり輝いた「日本女子オープン」ローアマに続き、アマチュアの日本タイトル3冠を達成する。日本女子アマ、日本ジュニア(中・高問わず)、日本女子オープンローアマを手にすれば、勝みなみ以来の達成となる。同じく首位で並ぶ廣吉や、トータル6アンダー・3位の長澤愛羅(日本ウェルネススポーツ大1年)と、上位にはナショナルチームメンバーや、実力者がズラリ。それでも岩永にとっては、「そうなるだろうと思っていました」と想定内のできごとだ。「(ナショナルチームは)みんなレベルが高いし、そのなかでみんなが上位で戦えるのはすごいこと」。普段、ナショナルチームの合宿などもともにする仲間たちと争うことになるが、あすは「みんなで優勝争いができるのはいいこと。ライバルです」と負けるつもりはない。3位タイまでの4人は2打差でひしめき合っている。「あすは一日勝負だと思って、それで勝てるように頑張りたいです」。マイペースのゴルフはここまで。ここからライバルたちを置き去りにするための“脚”は残っているはずだ。(文・間宮輝憲)
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