ヤオ・ミン氏(写真:新華社/アフロ)

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中国メディア「捜狐」(WEB版)が2023年9月3日、FIBAバスケットボール・ワールドカップ(W杯)2023の特集記事を組み、24年パリ五輪のバスケットボール出場権を逃した中国代表を厳しい論調で批判した。

中国は1次ラウンド3戦全敗のB組最下位で敗退。得失点差はマイナス80だった。17〜32位の順位決定ラウンドでは初戦のアンゴラに83−76で今大会初勝利を挙げたが、続くフィリピン戦は96−75で敗戦。今大会5戦1勝4敗でアジア勢最上位に与えられる五輪出場権を逃した。

「代表選手には同情する余地もない」

「捜狐」は、中国はあまりにも惨めな負け方で五輪出場権を逃し、中国史上最悪の記録を作ったと指摘。「これは最も恥ずべき屈辱であり、代表選手には同情する余地もない」と批判的に報じた。

記事では国内のバスケットボール解説者が中国バスケットボール協会を批判したことを伝え、会長を務めるヤオ・ミン氏(42)の責任を追及した。

身長2メートル29センチを誇るミン氏は、NBAヒューストン・ロケッツで活躍した中国が誇るレジェンドだ。04年アテネ五輪をはじめ中国代表として数多くの国際大会に出場し、長年代表をけん引してきた。11年に現役引退し17年に中国バスケット協会の会長に就任した。

ミン氏が協会長としてW杯に臨むのは、地元中国で開催された19年大会以来2度目。前回大会はイランと20年東京五輪出場権を争い、2勝3敗と勝敗で並ぶも得失点差で下回り出場権を逃した。今大会は日本が3勝を挙げアジア勢トップとなり五輪出場権を獲得した。

「捜狐」によると、中国がフィリピンに負けた直後、テレビ解説を務めていたバスケットボール解説者の楊武氏が「中国代表の敗退の責任は誰にあるのか」と問いかけ、ミン氏を批判した。

楊氏は「4年前にホームで開催されたW杯では、ヤオ・ミンは『敗因は自分にある』と語ったが、今の彼にはもう当時のような勇気はない」とし、「彼は試合後、高いスタンドに座って長い間瞑想していた」と語ったという。

記事では、中国は外国人のサーシャ・ジョルジェビッチを監督として招へいし、選手ではNBAのリー・カイアーが帰化して今大会出場したが成績はますます悪化したと指摘。これらの計画を推進したヤオ・ミンの責任は明らかだとした。