韓国を旅行する女性たちに向けて、隠しカメラに気をつけるよう呼びかけたオーストラリア人女性。「トイレだけでなく、民泊施設の部屋も…」と警告している(画像は『jazmyn 2023年3月26日付TikTok「#koreastorytime #storytime」』のスクリーンショット)

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韓国では、数年前から女性をターゲットにした盗撮が大きな社会問題になっている。オーストラリア人の女性がSNSでこの盗撮について警告したところ、多くの関心を集めたようだ。オーストラリアのニュースメディア『7NEWS Australia』などが伝えた。

韓国で社会問題になっている盗撮は深刻化するばかりだが、この問題についてオーストラリア人女性のジャズミン・ジェニングスさん(Jazmyn Jennings)がTikTokに動画を投稿して注意喚起した。動画は今年の3月26日に投稿されたものだが、最近になって豪ニュースメディア『7NEWS Australia』などが取り上げたことで注目を集めた。

現在、韓国に住んでいるジャズミンさんは、現地での生活についてTikTokに動画を投稿している。話題になった動画では、盗撮の問題がリアルに語られていた。彼女は「韓国は大きな問題を抱えていますが、それは外国人の間で十分に議論されていません」と述べ、このように続けた。

韓国をすでに訪れている方、または近いうちに韓国に来る方は、ぜひこの動画を見て欲しいのです。韓国では“隠しカメラ”という本当に大きな問題があります。もしあなたが女性用個室トイレに入った場合、トイレ内の隙間が濡れたトイレットペーパーで塞がれていることに気づくでしょう。分からないけど、たぶん男性用も同じかも…。」

「このようなことをしているのは、韓国の多くの女性が自分を小型隠しカメラによる撮影から守るためです。盗撮された動画は多くの場合、ネット上で共有され、それを男性が見ているのです。この問題はトイレだけでなく、“Airbnb”などの民泊施設の部屋でも同じことが言えます。」

「基本的にどんな場所でもプライベートな空間であれば隠しカメラに晒される危険性があるので、あなたが(韓国を訪れる)外国人である場合、盗撮発見器の購入をお勧めします。隠しカメラは火災警報器や目覚まし時計などに非常に巧妙に隠されており、これは韓国だけでなく世界中のどこでも起こり得ることです。」

ジャズミンさんの動画は多くの人に衝撃を与えたようで、これまでに750万回以上もの視聴回数を記録し、このような声が寄せられた。

「私はバリ島のホテルの部屋で隠しカメラを見つけたことがある。」
「私の韓流ドラマの甘い瞬間は、惨めに崩れ去ってしまったわ。」
「なんてこった。知らなかったよ。今後公衆トイレを使うのが怖くなったよ。」

また米ニュース情報誌『TIME』が昨年3月にウェブ上で公開した記事によると、韓国では2013年から2018年にかけて警察に通報された隠しカメラによる盗撮事件が3万件以上にのぼったという。

盗撮の実態についてのドキュメンタリー映画『Open Shutters』の制作に携わった映画監督兼プロデューサーであるユジン・ドゥさん(Youjin Do)は、同誌のインタビューに応じているが、「なぜこの手の犯罪が韓国で蔓延しているのか?」といった質問に対して「男女平等に対する意識の欠如にある」と答えた。

さらにユジンさんは「(Netflixの)イカゲームやBTSなどのカルチャー的な影響によって韓国は先進国のように見えるかもしれませんが、男女平等については、言葉では言い表せないほどひどいものです。なぜこんな状況になっているのか理解できません」と語っている。

画像は『jazmyn 2023年3月26日付TikTok「#koreastorytime #storytime」』『7NEWS Australia 2023年5月15日付「Australian TikTok traveller’s creepy warning about ‘hidden cameras’ in South Korea」(Credit: South Korea National Police Agency via CNN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)