コロナ下で「買ってムダになった物」おうち時間を充実させるはずが…

写真拡大

 コロナ禍がきっかけとなり、仕事一辺倒だったサラリーマンたちも多くの時間を自宅で過ごすようになった。「自宅で過ごす時間を充実させたい」と奮発して物を買う人もいたようだ。外出自粛期間中でも、家電量販店やホームセンターが大混雑していたという事実は、そのことを如実に物語っているだろう。

 しかし、そのために買ったものが原因で嫌な思いをしたという人たちも存在する。普段は家族から邪険にされている夫が、ここぞとばかりに挽回を狙った結果……。

◆“おうち時間の充実”どころか最低の結果に…

「普段はゲームなど絶対に許さなかった夫が、休校が続いてつまらなそうにしている小学生の娘のために、ニンテンドースイッチと大人気ゲーム『あつまれ どうぶつの森』を買ってきてくれたんです。実は、私も大好きなゲームで、娘と2人で大喜び……と、ここまでは良かったんですが」

 こう話すのは千葉県在住の主婦・神田翔子さん(仮名・30代)だ。あの堅物の夫が、と驚いた反面、家族のことを考えてくれているんだと思わず胸が熱くなったという。しかし、そんな幸せな時間も束の間……。

「2、3日すると娘に『ゲームばっかりやって』と怒るようになりました。私がやっていると、『悪い見本になるからお前はやるな』とまた怒られて。結局、娘も私も、怒られるのが嫌でゲームには触らなくなりました。すると今度は、『せっかく買ってあげたのになぜやらない』とチクチク言ってきて。やっぱり旦那は旦那。感動したのがバカみたい」(神田さん)

 東京都在住の会社員・牧島はなえさん(仮名・40代)も、コロナ禍をきっかけに「家族との時間を大切にしたい」などと急に言い出した夫に振り回された、と言う。

「自粛生活中の4月、夫が『ダイニングテーブルセットと空気清浄機を買おう』と言い出しました。今必要?と思いましたが、旦那はすでに通販サイトで購入していたようで、届いてみてびっくり。テーブルセットは、某高級家具店のもので、セットで約50万円近くするもの。空気清浄機も加湿と除湿の両方の機能がついたもので、約10万円。そんなお金どこにあるのって感じでしたが、夫は『家族のためだ』って」(牧島さん)

 秘密のへそくりが、と少し不快な気分になった牧島さんだが、給与を持ってくる以外に、久々に家族のために夫が何かをやってくれた、ということが嬉しくなったと話す。コロナ禍が家族の絆を強くした、などと思っていたが……。

「1週間後にはカネがない、小遣いをくれ、とせびってきたんです。よくよく聞いてみると、合計60万円のうち、半分は手持ちのプール金で払ったそうですが、残りはローン。手元にはタバコ代すら残っておらず、あまりの無計画性に唖然としました。

 それを指摘すると『家族のためにやったこと』とか『文句があるならお前が稼いでこい』と返されて口論に。結局、自分勝手に拍車がかかっただけ。“コロナ離婚”も考えたほどです」(牧島さん)

 おそらく夫に悪気はないはずなのだが、外的要因をきっかけに、ガラにもないことをやりだすと結局はボロが出てしまう。

◆「家族のために」大枚叩いて買ったのに無駄だった

 お次は、愛媛県在住の生命保険代理店勤務・高田輝彦さんの「反省」だ。

「子どもと“おうち時間”を楽しく過ごしたいと思い、近くのアウトドア用品店でテントを買いました。ついでに、ずっと欲しかったサイクロン式の掃除機も購入。庭先にテントを張って、そこでバーベキュー・ディナーをやろうとしたんですが……テントの設置方法がまずく、たるんできたテントが炭火に触れ、ドロドロに溶けてしまいました。

 驚いた妻が立ち上がった拍子に支えのポールが倒れ、リビングのガラスまで割れた。結局、バーベキューはその場で強制終了。買ったばかりの掃除機でガラスを掃除する妻を横目に、カップ麺の夕食を食べましたが、まったく味がしませんでしたね」

 かくいう筆者も、おうち時間を充実したものにしようと、最新式のオーブンレンジ(約10万円也)を購入。クッキーやケーキを家族が幸せそうに作り「パパにもあげる」などと言われるのかな……と夢想したまでは良かったが、いかんせん高機能すぎて、何をどうしていいかがさっぱりわからない。

 妻にも「あれができるこれができる」と説明するが、面倒そうに「自分でやれば」と言われる始末。頭にきて、意地でもケーキを作ってやろうと意気込むも、加減を間違えたのか、できたのは墨のような塊。

 部屋は焦げ臭い匂いで充満し、妻だけではなく子どもからも「最低」とのレッテルを貼られたのである。今では最新レンジでやることといえば、冷凍ご飯のチンのみ。

 やはり慣れないことも、親切の押し売りも、アホな思いつきだけでやるべきではない。コロナをきっかけに「自分をよく見せよう」としても、化けの皮はすぐに剥がれ落ちてしまうのだ。<取材・文/森原ドンタコス>