吉田麻也とヴァヒド・ハリルホジッチ(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

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この日の日本代表の作戦について、吉田麻也はニヤリとしながら言った。

「えっとみんなボード見たと思うんですけど(笑)、アレのとおりです」

ボードとは、試合前々日の練習中にピッチに置かれていた戦術ボードのこと。風でめくれてしまったことで報道陣にカンボジア戦の作戦が明らかになり、大々的に報じられてしまったのだ。広く知られたにも拘わらず、日本はそのままの作戦を遂行した。

「今日は勝ち点3を取ることにプライオリティを置いていた」というゲームで3-0と完勝することはできた。もっとも、ずっとストレスのない試合だったとは言いがたい。

前半は12本のシュートを打って1点止まり。打てども打てども入らないのはシンガポール戦の悪夢を呼び起こす可能性があった。そんなイライラを吹き飛ばすかのように、吉田が後半立ち上がりの50分、切れ味鋭いシュートを決めたのだ。

「見事なゴールでした」という報道陣からの呼びかけに「ありがとございまっす! ああいうゴールは高校生以来だと思います!」と明るく答える。

「監督は試合前から何度も『ミドルシュート』と言っていたし、僕とモリゲ(森重真人)のところで押し込んでいたので、スペースができていてチャンスがあると思っていました。トラップがうまくいってよかったです」

ハーフタイムにヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「2点目が大事」と選手を鼓舞した。だから「2点目が大きかったのだと思います」と吉田は自画自賛する。

得点直後に監督が吉田に向かってサムズアップすると、吉田は「どうだ!」という感じで両手を挙げてアピールした。それに監督は「やれやれ」というようなジェスチャーで答えている。その言葉のないコミュニケーションについては、「ちょっと前にFK(でのプレー)を失敗したので、多少練習した甲斐がありましたというのをアピールしました」と説明した。

しばらく笑顔だった吉田だったが、表情は次第に引き締まっていった。

「もっと難しい試合であのシュートを出していかなければいけないし、セットプレーでもっと点を取れと監督から言われていたので、今日は流れの中から点が取れましたが、次はセットプレーで、チーム全体でもセットプレーで点が取っていきたいと思います」

「アフガニスタンのほうがレベルも上なので、アウェイなので難しい試合になると思いますが、勝ち点3が取れるように頑張ります。シンガポール戦の後や、東アジアカップで国民のみなさんが落胆していると思うし、それを回復するためにはまだまだ。自分たちでそれを証明していかなければいけないと思っています」

ブラジルワールドカップ予選の際も、初戦のアディショナルタイムで唯一のゴールを奪ったのは吉田だった。吉田に一発が出て、やっと日本はロシアに向けて発進できたということかもしれない。

【日本蹴球合同会社/森雅史】

吉田麻也

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)



(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)




(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)




(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ カンボジア戦の先発イレブン

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 3-0でカンボジアを撃破した、ハリルジャパン

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 岡崎慎司、興梠慎三

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 興梠慎三

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 興梠慎三

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 香川真司

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 酒井宏樹

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 西川周作

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 西川周作

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 長谷部誠

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ 長友佑都

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)


▼ ヴァイッド・ハリルホジッチ監督

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)