大阪出直しダブル選挙で熱気みなぎる、「大阪副首都構想」関連が急浮上 <株探トップ特集>
―関西経済圏への波及効果は大、2050年の府内総生産は現在の約1.8倍の規模へ―
高市早苗首相は1月19日、衆議院を解散すると発表し、23日に解散した。総選挙はきょう27日に公示され、2月8日に投開票される。与野党ともに食料品の消費税減税を訴えるなか、政権の高い支持率から与党の過半数の可能性が高いとみられる一方、予算成立前の解散であることなどを指摘する声も聞かれ、異例の短期決戦とも相まって、行方については予断を許さない状況となっている。
衆院解散にあわせ、大阪府の吉村洋文知事と大阪市の横山英幸市長が辞職し、出直しのダブル選挙が衆院選と同日に実施される。両氏は「大阪都構想」への3度目の挑戦を公約に掲げているが、「大阪都構想」は「大阪副首都構想」とも関連しており、大阪だけではなく、全国的な関心事としてとらえられている。改めて「大阪副首都構想」関連に注目してみたい。
●大阪都構想実現へ3度目の挑戦
大阪都構想とは、日本維新の会(以下維新)が一丁目一番地の政策として掲げる政策で、大阪市を廃止して特別区に再編することで、大阪府と大阪市によってそれぞれ行われてきた広域行政を一本化し二重行政の解消を図るのが狙い。それとともに、住民から遠い市役所から権限・責任を住民に身近な区役所に移し、公選区長と区議会のもとで、地域のことを決定できるようにすることを目指している。
これまでにも同党は、2015年と20年に都構想の是非を問う住民投票に挑んだが、いずれも否決された経緯がある。それもあって前回23年の府知事選や市長選では都構想を公約としなかったが、今回の衆院選を機に、都構想への再挑戦の是非を問う出直し選挙を行い、改めて民意を問うことにしたようだ。
●これまで以上に重要な意味を持つ大阪ダブル選挙
今回のダブル選挙が過去2回の挑戦と大きく異なるのは、都構想と副首都構想とを明確に連動させている点だ。副首都構想は維新が統治機構改革の一つとして掲げていたもので、昨年10月に自由民主党と交わした連立政権の合意文書にも早急に検討を行い、26年の通常国会での関連法案の成立を目指すことが明記されている。
副首都構想とは、東京一極集中の是正と大規模災害時における首都機能のバックアップなどを目的に、00年代から本格化した議論。その後、東日本大震災を経て、首都機能のバックアップの必要性が再確認され、とりわけ関西圏では熱が高まったが、その後の政局の混乱もあって議論は進まなかった。
ただ、昨年成立した高市政権で維新が連立与党となったことで、再び副首都構想が脚光を浴びることになる。維新では今回の衆院選におけるコア・マニフェストにも「大阪、福岡、札幌などを候補とする『副首都法』を制定し、東京一極集中を変えていく」ことを盛り込んでおり、実現に向けた熱量は大きい。
特に同党では、大都市地域特別区設置法に基づく特別区の設置を副首都の指定要件として求めており、そのためにも都構想の実現は不可欠となり、今回のダブル選挙は重要だ。
●経済成長に重点を置いた大阪副首都構想
維新の掲げる副首都構想では、26年の個別政策集に「副首都は首都中枢機能の代替のみならず、経済基盤強化、事業の高度化・生産性向上・新規創造、人材育成・確保、子育て環境整備、地方分権等を促進する拠点化し、東京圏と並びわが国の経済成長を牽引します」とあるように、危機管理だけではなく、経済成長を実現するための手段としての意味合いを強くしている。
副首都構想の実現で大阪の経済が活性化するとの期待があり、大阪府の「副首都ビジョン」によると、副首都・大阪が実現した際の50年代のGDP(府内総生産・名目)は約80兆円(23年度44兆9924億円)になると予想。更に、大阪が副首都となることで、関西経済全体への大きな経済波及効果も期待されている。

