ギャンブル依存症だと思うよ…


なんで怒られているの?家族の和を保っていた優しい父の隠しごと/母のお酒をやめさせたい(1)

厚生労働省が発行する広報誌『厚生労働』の2019年5月号によれば、ギャンブル依存症が疑われる人は約70万人、アルコール依存症の潜在的な患者数は約57万人と、非常の多くの患者が存在します。しかし依存症による言動や周囲に及ぼす影響といった実情を、当事者以外が知ることはあまり多くないかもしれません。

今回は、家族の視点から見た「ギャンブル依存症」の父親によって、家庭が崩壊の危機に陥ってしまうケースをご紹介します。

松本家


父と母、サキさんとケイスケくんの4人家族で暮らす松本家。ちょっと泣き虫なケイスケくんは、いつも厳しい母と比べ、家族の和を保ってくれる優しい父が大好きでした。

そんな松本家の日常が一変する出来事が起こります。それは父が隠れてギャンブルにのめり込み、消費者金融から借金を繰り返していたことでした。母がいくら怒鳴ろうが説得しようが、父はギャンブルをやめることができません。

母の怒鳴り声が日常茶飯事となった松本家。このままでは家族全員が救われない…。そう判断した母は、夫の症状を相談するべく、専門の機関「精神保健福祉センター」へと赴きます。

どーやったら やめてくれるのよ!?


それ多分病気かもね…


専門家に相談するのがいいって


大事な話をしたいの


依存症…


本人がやめたい!と思ってもやめられなくなる


それ以外のことが考えられなくなっちゃう


大事なものを壊しても 依存がやめられなくなる


たくさんの助けがお父さんには必要なの


病気って…ちょっと大げさだよぉ


自助グループに行くことにした


そのまま受け入れられる場所です


どうしてこんなにいい人が!?って


言葉にすると少し楽になるんだな…


私はやめさせる方法が知りたいんだけどなー


本人の問題は本人に引き受けてもらいましょう


可能性は高くなるかもね だけど


そんなに…僕を病人にしたいのか?


これぐらいの僕の借金なんて大した話しじゃない!!!


ただの遊びでやってることじゃないか!


「自分の人生を大切にしなくっちゃ」


私と別れてください


パチンコをやめられないなら 一緒には暮らせない


私と子どもの人生をこれ以上犠牲にできないの


もしかしたらこれからお父さんの病気がよくなるかもしれない


お父さんはひとりぼっち?


いつだって会えるわ


家を出たあの日


「人は変えられない」「家族に病気は治せない」

当事者とその家族の日常に及ぼす依存症の影響がいかに深刻なものか、改めて考えさせられるエピソードです。

回復への道筋はどのようなものか、適切な治療や相談を受けるための専門機関との連携など、正しく理解していきたいですね。

※本記事は三森 みさ著、今成 知美、松本 俊彦監修の書籍『母のお酒をやめさせたい』から一部抜粋・編集しました。

著=三森 みさ、監修=今成 知美、松本 俊彦/『母のお酒をやめさせたい』