MS-DOSの時代からしのぎを削ってきたNECと富士通だが、いまでもNECのデザインを一新した「LaVie L」や、富士通のグラスレス3Dモデル「FH99/CM」など、魅力あるパソコンを開発し続けている。
その富士通とNECだが、日本国内ではここのところNECを追う富士通という構図となっていた。ところがIDC Japanの調査「2010年国内クライアントPC市場実績値」によると、2010年第4四半期は富士通が首位に立ったのだ。

富士通は、家庭市場では、秋冬モデルの出荷が貢献し、ビジネス市場では、大企業向け、中小企業向けだけでなく、官公庁向け出荷も好調であった。そのため、昨年同期のスクールニューディールの特需を含んだ総数を上回る結果となったのだ。

一方NECは、ビジネス市場では大企業向けの出荷が好調であったものの、昨年同期のスクールニューディール向けに出荷された台数を補う程度にとどまってしまった。家庭市場では、前期発表したモデルのキャンペーンを行ったのだが、富士通にとどかなかったため、総合で2位だったのだ。

2010年のPC出荷台数は、家庭市場が738万台、ビジネス市場が840万台で過去最高を記録している。
家庭市場では、エコポイント効果で家電量販店への客足が増えたことが影響して、前年比10.8%増のプラス成長と躍進した。ビジネス市場は、業績が回復した企業を中心にPCの買い替えが進み、さらにスクールニューディールの特需も貢献して、前年比24.9%増と家庭市場をはるかに上回るほどの結果を残した。

2010年通期ではNECがまだトップを走っている。果たして2011年はこのままNECが1位をキープできるか。それとも2010年第4四半期の逆転した富士通が逃げ切るのか。
2011年はビジネス向けの買い替え需要が一巡したこと、特に第1四半期ではインテルのチップセット不具合の影響が出てきた。そのため、2010年に比べて、販売台数の伸び悩みが考えられる。波乱含みの2011年になりそうだ。

IDC Japan

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