中国で禁止されたはずの農薬、10年たってもいまだに農作物から検出―中国メディア
中国メディアの第一財経は22日、中国で禁止されたはずの農薬が10年余りたっても農作物から検出されている実態を報じた。
記事によると、今年1〜6月に中国各地の市場監督管理局が行った抜き取り検査で、使用が禁止されている農薬が相次いで検出された。浙江省舟山市では6月、販売されていたジャガイモから基準値の4倍超のクロルピリホスが検出された。クロルピリホスは2016年末から野菜への使用が禁止されているが、今年1〜6月だけでも少なくとも13省の農作物から検出された。品目はジャガイモやショウガ、トウガラシ、セロリ、葉物野菜など多岐にわたる。
また、広東省や海南省で販売されたドラゴンフルーツやニラからは、07年に農業利用が全面禁止されたメタミドホスが検出された。湖南省や雲南省の野菜からは24年に全面禁止されたホレートが、浙江省では26年から販売・使用が全面禁止されたアルジカルブが検出されたという。
中国では1997年の「農薬管理条例」施行以降、農薬の登録、生産、販売、使用における管理制度が整備され、高毒性農薬61種類が使用禁止となった。しかし、業界関係者によると、販売業者と農家の間の裏ルートを通じて現在も取引されている。背景には農家の厳しい事情もあるといい、害虫の増加や収穫量確保にかかるプレッシャーの中で、効果が高く、価格も安い高毒性農薬への依存が続いているという。
食品安全の専門家は、中国の農業が依然として小規模農家中心で、農薬使用に関する科学的な教育が十分に浸透していないことが要因だと説明。さらに、流通段階で一部業者が鮮度保持剤などを不適切に使用していることも、残留農薬問題を悪化させている可能性があると指摘している。
中国政府は16年から「農産物適合証明制度」の導入を進め、23年施行の「改正農産物品質安全法」で全国的な制度として法制化した。26年2月からは新たな管理規則も施行され、生産者に対し、禁止農薬を使用していないことなどを証明する「適合証明書」の発行を義務付けている。
しかし、この制度は実質的に生産者による自己管理・自己申告の仕組みにとどまっている。小規模農家は検査設備を持たず、第三者機関による検査の費用も負担できないため、検査結果の裏付けがないまま証明書を発行するケースも少なくないという。また、一部では問題のないサンプルだけを検査に回すなど、制度運用上の課題も指摘されている。(翻訳・編集/北田)
