一期一会という言葉のとおり、人との出会いは貴重である。メディアによる情報をうのみにしたり、先入観をもって人と接することがなければ、良い出会いを逃さずにすむかもしれない。中国メディアの騰訊網は27日、「魯迅」のように「良い日本人」と出会うことができた喜びを綴った中国人の手記を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 一期一会という言葉のとおり、人との出会いは貴重である。メディアによる情報をうのみにしたり、先入観をもって人と接することがなければ、良い出会いを逃さずにすむかもしれない。中国メディアの騰訊網は27日、「魯迅」のように「良い日本人」と出会うことができた喜びを綴った中国人の手記を掲載した。
 
 魯迅は留学中に恩師の藤野厳九郎氏に出会い、のちに「藤野先生」という自伝的小説で彼のことを振り返っている。中国からの留学生に対して分け隔てなく接し、熱心に添削してくれたことに感激したという。筆者自身も、ある日本人女性との交流がこの魯迅のようだと感じたようだ。
 
 筆者は、日本には何度も来たことがあるそうだが、今回その友人との再会で、普段の旅行より一段と深みのある良い旅になったと振り返っている。その友人は東京で働いており、忙しいなか時間を取って東京案内をしてくれ、週末には友人の故郷である新潟にまで連れて行ってくれたそうだ。
 
 新潟で泊まった温泉旅館では、日本のカラオケを体験し、歌詞が中国語でも用意されていたり、中国でデビューしたばかりの新人歌手の曲が入っているほど内容が新しく、すっかり感心したという筆者。友人と互いに子どもの頃や若いころに見たアニメ、ドラマなどの話で盛り上がり、こうしたソフトパワーには、「はっきりと民族主義の意図を感じる教科書」とは違った影響力があると感じたようだ。
 
 筆者がこの旅で最も強調したのは、「良い日本人」であるこの友人と知り合えた喜びだ。彼女がジェスチャーを交え、ネットで調べながら慣れない広東語で三国志のことや「封神伝奇(バトル・オブ・ゴッド)の登場人物がいかに好きかを一生懸命伝えようとしてくれるのを見ながら、「リアルで良い日本人に出会った」喜びをしみじみとかみしめたそうだ。
 
 現代社会は便利になったが、人と人とが本当に知り合う機会は減っていると言えるだろう。筆者が、魯迅のように日常のなかでの出会いを大切にするのが理想的だとしているように、SNSだけではなく、面と向かって交流する大切さを感じさせられる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)