“静から動”が“動から動”のスイングに変わった飯島茜(撮影:米山聡明)

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 今季の国内女子ツアーの優勝者の活躍を振り返り、強さの要因を探る“Playback LPGATour2015”。第10回目は3月の『Tポイントレディス』で5年ぶりの優勝を達成した飯島茜。優勝シーンを振り返るとともに、スイングのポイントを見ていこう。
【解説】“静から動”が“動から動”に!飯島茜のスイング連続写真(計10枚)
 『Tポイントレディス』は18ホールで決着せず、全美貞(韓国)のプレーオフに。歴代で2番目の長さとなる6ホール、1時間47分の激闘となったが3回目のピン位置変更が行われた6ホール目の3打目を92ヤードの位置からベタピンに。全が長いバーディパットを外したのを見届けた後に落ち着いて沈め、自らの手で終止符を打った
 復活優勝を飾った飯島の優勝の要因についてプロコーチの辻村明志氏は「ここ数年、スイングの形にとらわれ、生き生きとしたスイングができていない印象もありましたが、復活の一年の大きな要因は“静から動だったスイング”が“動から動へと変わったこと”ではないでしょうか」と見る。
 ゴルフで最も難しいと言われているのはアドレスからテークバックのきっかけ。リズムよくバックスイングできなければスイング全体にリズム感が出てこないが、飯島はアドレス時の“ある動作”で初動のきっかけを作っているという。
 「アドレスの時点で、両足をワッグル(足踏み)することにより、スイングのリズムを足裏で作っている。また体重移動がスムーズにいかなかった点も、フォワードプレス(構えて位置から手を左側に動かすこと)を利用して、リズム良くつまりのないバックスイングを手に入れたのだと思います。トップの位置も以前より深みが増し、しっかりと間合いが取れるようになったことで、アドレスからフィニッシュまでの一連の動作がスムーズになっている。ショットに限ることなくアプローチ・パッティングもこのスタイルで取り組んでいるようですね(辻村)」
 テークバックの始動にタイミングに迷っている人は飯島の足踏みワッグルを試してみるのはいかがだろうか?

解説・辻村明志(つじむらはるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチ、キャディとして上田桃子、濱美咲らを指導。今季は上田の出場全試合に帯同し、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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