長友佑都(右)と談笑する森保一監督 ©産経新聞

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アメリカ、メキシコ、カナダで共催されるFIFAワールドカップ26に向けて、期待に胸を膨らませたファンを中心に盛り上がり始めている。日本代表の初戦は6月14日(日本時間15日午前5:00キックオフ)であり、オランダ代表と対戦する。
現在は国内で合宿を行なっており、6月に入ると事前合宿地のメキシコ・モンテレイへと旅立つ。出発前の5月31日(19:25キックオフ予定)に国立競技場で開催されるアイスランド戦が大会前最後の親善試合であり、いわゆる壮行試合となる。

◆長友が「ベストなメンバー」に入るのは必然か

森保一監督は5月15日に最終登録メンバー26名を発表した。

直前に三笘薫が負傷してメンバー外になったり、5大会連続で選出された長友佑都が名を連ねたりと話題性はあった。さらに、予選で活躍した守田英正が選ばれなかったり、A代表歴1試合で21歳の塩貝健人が選ばれたりと多少の驚きはあったが、想定外という顔ぶれではなく森保監督のいう「ベストなメンバー」という表現もうなづける人選であった。

最終メンバー発表前後には“長友不要論”が再燃していたが、森保監督は「コミュニケーションの部分でもチーム全体に影響力を及ぼしてもらえる」と、選考理由を語っている。ピッチ内のプレーだけでなく、ピッチ外での役割を担うことを示唆された長友について、これまで森保監督以外にも多くの選手やスタッフから同等の評価の声を聞く。評価をそのまま受け止めればメンタル面、マインド面での影響は大きく、勝利の要因になると理解できる。

◆サプライズ人事の意図を読み解く

森保監督の人事は最終メンバーの26名だけにとどまらなかった。

最終メンバー発表の約1カ月前となる4月16日には、中村俊輔氏をコーチングスタッフとして招き入れた。そして、最終メンバー発表の3日後となる18日には、負傷によりメンバー外となっていた南野拓実をスタッフとして帯同させることを正式に発表した。さらに、21日には所属クラブの試合日程の関係で合流が遅れる鎌田大地に代わり、アイスランド戦までの限定で前大会時キャプテンの吉田麻也を追加招集した。一連の人事について一部ではかなりのサプライズとなっており、26名の発表時よりもインパクトを与えている。

中村俊輔コーチについては「セットプレーのアイデア」、南野については「メンターとしてのサポート」、吉田については「経験の継承」といったように、それぞれの理由を明かしているが、表向きの理由だけではないことは容易に想像できる。

推察になるが、森保監督は今回のワールドカップで勝つためにはメンタル面やマインド面が重要、あるいは不足していると考えているのではないだろうか。

近年のワールドカップ前には必ず言われていることではあるが、今回のメンバーは名実ともに史上最高である。三笘や南野といった本来選ばれるべき選手が負傷によってメンバー外となるアクシデントは発生しているが、負傷者が抜けたとしても大きく戦力は落ちないし、それほど偏ったチームづくりもしてきていない。

また、これまでの大会でもコンディション調整に失敗したことが敗退の要因になったことはあるが、組織として過去の反省を生かし、できる限りの対策を講じてきた。事前合宿や大会期間中の準備もやり尽くしているという自負があるのだろう。

準備の中でまだやれる余地があると感じていたのが、選手の精神面のケアだったため大鉈を振るう人事を実行したものと思われる。

◆中村俊輔が担う、控え選手のケア

メンタル面、マインド面とあえて書き分けているが、長友、南野、吉田については主にマインド面で大きな影響力を持つと考えている。チームとしての意識づくり、目標に対する思考力、信念への強さといった部分では日本でもトップクラスの経験を持つ人材だ。