野崎幸助さん(右)と元妻の須藤早貴容疑者=2017年12月(提供・吉田隆/共同通信社)

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 和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と称された酒類販売会社元社長、野崎幸助さん(当時77歳)に2018年5月、多量の覚醒剤を摂取させて殺害したとして、和歌山県警に殺人と覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕された元妻の須藤早貴容疑者(25)が、野崎さんから経営を継いだ会社の口座から約3800万円をだまし取ったなどとして刑事告発されていたことが明らかになった。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は4日、当サイトの取材に対し、須藤容疑者が遺産相続等の金銭面に関する知識に乏しかったことを踏まえ、指南役的な協力者の存在がいた可能性を指摘した。

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 告発状によると、須藤容疑者は野崎さんの死後、会社の代表取締役に就任。18年9月、会社の口座から自身の口座に約3800万円を送金してだまし取ったなどとして、会社の元監査役が昨年6月に詐欺容疑などで和歌山県警に刑事告発したという。18年8月には野崎さんが「全財産を田辺市に寄付する」と記した遺言書の存在が分かっている。

 小川氏は「彼女が1人で考えた行為とは思えない」とした上で、「須藤容疑者は『野崎さんが亡くなったら遺産は私に入るの?』と周囲に聞くくらい、相続についての知識がなかったようです。須藤容疑者の友人に取材すると、『もうちょっと勉強したら?と思うほどでした』と言っていました。ですので、野崎さんの死後、会社については全部、弁護士に任せてやってもらった。当時、本人が言うには『野崎さんが亡くなったからといって(会社を)ストップできない。(手続き面は)分からないので弁護士の先生がやってくれた』という話をしていました」と明かした。

 もちろん、弁護士による事後処理は通常の業務であるが、刑事告発された詐欺容疑に関しては「入れ知恵」したかもしれない第三者の存在が推測される。

 小川氏は「3800万円が手に入って、それをすべて本人が1人で消費したのか、もしくは、誰か指南役的な者がいたのか。後者であれば、彼女の周囲にいた者も報酬を求めてくるでしょう」と推測した。

 その上で、同氏は「当然、警察はお金の流れを追っている。容疑者本人がどういう生活をしたら、これくらい消費するだろうということに加え、例えば、いきなり1000万円がなくなっていたとしたら、調べてはいるでしょう。また、『これはどういうことだ』と、取り調べの中で聞いていると思います。そこから、関係者的な者が浮上してくることも考えられる。急に金回りが良くなった者など、須藤容疑者の周りの人間関係を警察は今、注視している」と解説した。