スタンフォード大学の佐々木麟太郎(C)ゲッティ=共同

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【マーリンズ8巡目指名の現実と今後】

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 指名順位の現実をどう受け止めるのか。

 日本時間13日のMLBドラフト会議で、マーリンズから8巡目(全体235位)で指名されたスタンフォード大の佐々木麟太郎(21)である。

「一瞬ですね、顔がほころんだように見えましたけれども、すぐキリッと意を決したような目をして、真剣な顔に整ったという印象でした」

 佐々木の指名の瞬間の様子について、佐々木のマネジメントを担当するナイスガイ・パートナーズの木下博之社長はこう言った。花巻東高時代に高校通算140本塁打を放った大砲は、マーリンズ入りか、昨秋ドラフトで1位指名されたソフトバンク入りか、あるいは大学残留か。この3つの選択肢から進路を決定することになる。

 12球団しかなく、支配下ドラフトも5〜6人程度の日本プロ野球とは違い、30球団あるMLBはドラフトも20巡目まで指名できる。佐々木の8巡目は中位となるわけだが、ここからメジャーに到達するだけでも至難の業だ。

 2022年に「Journal of Sports Analytics」に掲載された研究論文によれば、05〜15年のドラフトで20巡目までに契約した計6027人のうち、メジャーで1打席、1登板を果たした選手は26.9%。1巡目指名された選手のメジャー到達率71.5%(527人中377人)に対し、8巡目指名選手は「3分の1以下」の20.1%(309人中62人)にとどまるのだ(対象期間は指名年から7年間)。

 一方、マーリンズでは、2000年ドラフト17巡目(全体491位)で入団したジョシュ・ウィリンガムが5年目にメジャー昇格を果たし、通算195本塁打をマークした好例がある。

 他球団を見渡すと、8巡目からスーパースターに上り詰めた選手もいる。

 09年ドラフトでダイヤモンドバックス入りし、昨季まで通算372本塁打をマークしているゴールドシュミット(38、全体246位=現ヤンキース)である。

少しの足踏みでもアウト

「佐々木と同様に一塁専任と見なされ、守備の評価が低かった。しかし入団直後から圧倒的な打撃成績を残し、メジャーへと駆け上がっていきました」と、米メディア関係者がこう続ける。

「1年目はルーキー級で18本塁打、2年目のハイA級で35本塁打、42二塁打をマークし、リーグMVPを獲得した。しかし、当時のメディアによれば、年間161三振を喫したことで『選球眼に問題がある』と懐疑的に見るスカウトもいたほど。それでも、3年目はAA級で打率.306、30本塁打を放ったうえ、82四球を選んで出塁率.435をマーク。同年8月にAAA級をすっ飛ばしてメジャー契約を勝ち取った。昇格した翌日のジャイアンツ戦ではサイ・ヤング賞右腕のリンスカムからプロ初本塁打。同年のポストシーズンでも満塁弾を放つ大活躍を見せたことで、メジャーに定着しました。ゴールドシュミットの例はあくまでレアケース。一塁専門は遊撃手や捕手のように守備からアピールすることは難しいうえ、マイナーで少しでも足踏みすれば、毎年大量に入ってくる有望選手に取って代わられる。佐々木がメジャーで活躍するためには、とにかく1年目から打ちまくるしかないでしょう」

 佐々木はゴールドシュミットになれるのか、あるいはその他大勢で終わるのか。マーリンズ入りを決断した場合、相応の覚悟が必要になる。

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 マリーンズはメジャー屈指の低予算球団だが、佐々木にとって悪いことばかりではないようだ。いったいなぜか。●関連記事 【もっと読む】マーリンズには低予算球団ならではの“うまみ”あり では、それらについて詳しく報じている。