観客からは大きな歓声と拍手が(5月31日に開催された早慶戦。左から天皇、愛子さま/時事通信フォト)

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 皇族数の確保策をめぐる国会での議論が急ピッチで進んでいる。6月8日、「女性皇族が結婚後も皇族に残る」案と「旧宮家の男系男子を養子として迎える」案の2案が「了」とされた。ただ、国民に根強くある「愛子天皇待望論」に応えるものではない。そんななか、天皇や秋篠宮が次世代の皇室にどのような思いを抱いているのかが、関係者の注目を集めている。【前後編の前編】

【写真】ピンクのボレロに淡いラベンダー色のワンピース姿 ウィーン少年合唱団の公演を鑑賞された愛子さま 

上座とされる後列の運転席側に座った愛子さま

 皇族数の確保策における「立法府の総意」の2案が発表された直後の会見で、森英介・衆院議長が「(旧宮家からの養子に)男の子が生まれれば、その子は皇位継承権を持つことになる」と発言したことが物議を醸した。

 森氏の発言は「男系男子による皇位継承」へのこだわりを前提にしているとして、女性・女系天皇を容認する層からの大きな反発を招いたのだ(森氏は翌日に「言葉足らずだった」と釈明)。

 こうして議論が本格化するなか、5月31日に天皇と長女・愛子さまが東京六大学野球の早慶戦を神宮球場で観戦した際の移動車の席順に、一部で注目が集まっているという。上座とされる後列の運転席側に座ったのが愛子さまだったからだ。日本近現代史が専門で皇室に詳しい小田部雄次・静岡福祉大名誉教授が言う。

「陛下は那須御用邸や学習院ミュージアム訪問など、今回と同じ私的活動の際に愛子さまを上座に座らせたことがありますが、実はこれはかなり異例なことです。皇室の慣例上、公務で雅子さまと御料車に乗る際は陛下が上座で、雅子さまも含めた3人の公務では陛下と雅子さまが御料車に乗り、陛下が上座、愛子さまは別の車に単独で乗車されます。

 私的な外出でも、雅子さまと2人で出掛ける場合は陛下が上座に座ります。愛子さまと私的に外出される際に上座に座らせるのは、次世代の皇室を担う一人として、愛子さまを大切に思う気持ちがあるからではないでしょうか」

愛子さまのお気持ちを陛下が尊重か

 宮内庁に席順について聞くと、「御車の御席は、その都度状況に応じて決めております」(総務課報道室)と回答した。そもそも、愛子さまと2人での天覧試合は今回が初めてのことだった。

「雅子さまはオランダ・ベルギー訪問に向けて体調を万全にするため同行を控えたと思われます。スポーツへの関心が高い愛子さまのお気持ちを陛下が尊重されたのかもしれません。父娘2人でのお出ましは、昨年のウィーン少年合唱団の日本公演や宮内庁楽部による秋季雅楽演奏会の鑑賞でも見られました。陛下には、愛子さまに皇族としての経験を多く積んでもらいたいとのお気持ちがあるのでしょう」(皇室記者)

 天皇と愛子さまによるお出ましの機会が増えていることや、席順で愛子さまを大切にしている様子が窺えることに、「愛子天皇」を望む人々の注目が集まり始めているのだ。

(後編へ続く)

※週刊ポスト2026年6月26日・7月3日号