重量物をはこぶ車両のイメージ(画像:2024年に京都の国道を「47t」オーバーして事故を起こした違反車両/国土交通省)

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「累積243回違反」し是正指導も

 NEXCO西日本および日本高速道路保有・債務返済機構は2026年6月5日、高速道路において「車両制限令(車限)」を違反した事業者の名称と是正指導の内容を公表しました。
 
 今回公表された事業者は、車限違反を何度も繰り返しており、その悪質な実態が明らかになっています。

 車両制限令は、道路法第47条に基づき1962年(昭和37年)2月に施行された政令です。道路構造の保全と交通の危険防止を目的として、通行できるクルマの大きさや重さの上限(一般的制限値)を定めています。

【画像】「ええぇぇ…」 これが重量オーバーを繰り返す「“悪質事業者”」一覧です! 画像で見る(29枚)

 具体的には、長さ12m×幅2.5m×高さ3.8m(高さ指定道路は4.1m)まで、総重量は高速自動車国道または指定道路で25t、軸重は10tまでとされています。

 サイズ超過のクルマは、周囲の車両や道路設備に接触したり、料金所ゲートや頭上の標識・信号機を破損するおそれがあります。

 一方で重量超過は、ブレーキ性能の低下や横転リスクの上昇といった深刻な安全上の問題を引き起こすだけでなく、路面や構造物をじわじわと傷め、やがて補修工事による通行規制を招きます。

 近年は建設から年月を経た道路が多く、重量オーバー車はその劣化をさらに加速させています。

 もちろん大型資材の輸送やオールテレーンクレーンの運行など、どうしても一般的制限値を超える場合もあり、そうした状況では「特殊車両(特車)」という扱いで、「特殊車両通行許可(特車通行許可)」を事前に取得し、条件によっては誘導車を伴走させることなどで通行が認められます。

 手続きはオンラインで行えるようになっていますが、それでも無許可・無認可走行はなくなっていないのが現状です。

 このため、NEXCO各社や各道路管理者は取り締まりを強化しています。「車両制限令等違反車両取締隊」を組織内に設け、サイズや重量超過が疑われるクルマを停車させて確認し、違反が確認されれば「措置命令書」をその場で交付します。

 積荷の削減や安全な場所への移動を命じるほか、危険と判断した場合は高速道路からの即時退出を求めることもあります。

 今回公表された是正指導の対象は16の事業者に上ります。なかでも埼玉県秩父市の事業者Kは、2022年から2025年にかけての4年間で計23件もの是正指導を受けており、同一日に2件の違反が記録された例もあります。

 このKは2025年中も常に名指しで指摘されていたものの、それでもなお2025年10月と12月にも車限違反による是正指導を受けており、法令遵守の姿勢は全く見えません。

 違反の内容は、許可証の不携帯、有効期限切れ、許可ルート以外の通行、重大な諸元違反など多岐にわたります。

 また、千葉県長生郡の事業者Sも2023年から2026年にかけて、10回の是正指導を受けています。この是正指導されるに至った車限違反の件数は「累積243回」で、度重なる是正指導を受けてもなおも違反を繰り返しています。

 是正指導を受けた事業者は法人だけでなく個人のケースもあります。千葉県市原市のTは、2023年から2025年にかけ、累積91回の車限違反を繰り返し、4回の是正指導を受けました。

 いずれの事業者は毎月の是正指導で名前が挙がる“常習犯”で、それでもなお、ルールを守らずに特車の無許可走行を繰り返している現状です。

 NEXCO西日本は「引き続き高速道路機構および各高速道路会社と連携し、高速道路における道路法(車両制限令)違反者に対する指導取締りを実施するとともに、悪質な違反者に対しては告発等も視野に入れた関係機関への情報提供をおこなってまいります」として、厳正な対応を続ける姿勢を示しています。

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 重量オーバー車の問題は深刻で、国の試算によれば、道路の劣化の9割は、わずか0.3%の台数の重量超過車両が引き起こしているといいます。

 そのため国土交通省でも今後、重量オーバー車両に対しての指導や刑事告訴を強化する方針です。