『ワン・バトル・アフター・アナザー』©2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

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 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、宮川が映画公式にコメントも寄せた『ワン・バトル・アフター・アナザー』をプッシュします。

参考:『ワン・バトル・アフター・アナザー』PTA史上最高ヒットで北米No.1  『鬼滅の刃』は3位に

 『ブギーナイツ』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『インヒアレント・ヴァイス』『リコリス・ピザ』……いつも“間違いない”作品を届けてくれる数少ない映画作家、ポール・トーマス・アンダーソン(以下、PTA)。そんな彼の新作『ワン・バトル・アフター・アナザー』は、これまでのPTA映画とはだいぶ趣の異なるタイプの作品だが、「これが映画だ!」と思わせてくれる興奮と感動に満ちた一作だった。

 主人公はレオナルド・ディカプリオ演じる革命家のパット・カルフーン/ボブ・ファーガソン。彼が革命家として活躍していた時代から始まり、その16年後、娘のウィラ(チェイスインフィニティ)が軍人のロックジョー(ショーン・ペン)にさらわれ、彼女を取り戻すために奔走するさまが描かれていく。

 映画の冒頭、ディカプリオが画面に現れた瞬間に傑作だと確信。ボブやのちに彼と恋に落ちることになるペルフェディア(タヤナ・テイラー)らが所属する過激派左翼グループ「フレンチ75」が、変態軍人ロックジョー(ショーン・ペン)率いる軍に捕えられた移民たちを解放するために収容所を襲うシークエンスだ。バッキバキに決まった構図とジョニー・グリーンウッドによる圧巻の劇伴でテンションが爆発していくこのシークエンスだけで、映画1本分の価値がある。

 シンプルなストーリーながら、登場人物はどいつもこいつも謎だらけ(ベニチオ・デル・トロ演じる「センセイ」が最高!)。それでいて162分の長尺とは思えないスピード感で、アクションもサスペンスもコメディも楽しめる“完璧な映画”だ。

 間違いなくPTA映画だが、今までのどのPTA映画とも違う、真骨頂にして新境地。ビスタビジョンで撮影された本作は、PTA作品史上初めてIMAX上映が行われる。試写は通常上映だったので、全編が1.43:1の拡張アスペクト比で上映されるIMAXでも早く観たい。惜しむらくは、IMAX上映の回数が限りなく少ないこと。なんとか来週以降も続いてほしい。とにかくずっとカッコいい。それだけで最高じゃないか。

(文=宮川翔)