美島光司さん(52歳)

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ホスト歴30年の美島光司さん(52歳)。かつて歌舞伎町の名門ホストクラブ「愛本店」でNo.1に上り詰め、細木数子さんからも指名を受けた伝説のホストだ。
20代でNo.1ホストになった美島さんは、毎月数千万円、ときには億を稼ぐときもあった。まさに我が世の春を謳歌していた。

だが、細木さんとの出会いによって、運命の歯車が狂い始める。(短期集中連載 全3回の2回目)

◆細木数子さんの“指名”を先輩に奪われて…

愛本店でNo.1ホストになり、「日本一稼ぐホスト」になった美島さん。

そんな彼のもとに現れたのが、細木数子さんだ。

現在Netflixで配信中の『地獄に堕ちるわよ』でも描かれているとおり、当時の細木さんはホストクラブに度々通っていた。そして、美島さんはその指名ホストの一人だったのだ。

細木さんレベルの著名人ともなれば、当然接客も一筋縄ではいかない。しかし、美島さんはすぐに細木さんに気に入られ、何度か指名をもらえるようになっていった。

「細木先生は礼儀やマナーには厳しかったんですが、とにかく綺麗に遊ばれはる方で。一晩で100万円ぐらい使ってくれることも珍しくなかったですし、チップで数十万円をポーンと出していただいたことも何度もありました」

店のNo.1ホストとして君臨し、細木さんからも指名をもらう。

まさに「すべてが上手くいっていた」美島さん。だが、ある晩に、そのすべてが崩れ去ることになった。

「先輩ホストに、細木先生の指名を獲られたんですわ」

事件は、ある月の締め日に起こった。

ホストクラブの締め日とは、その月の売上が計上される最後の営業日のこと。お金を使ってくれる“太客”の多くはこの締め日に来店し、人によっては数百万単位のお金を落としていく。

その月は締め日の時点でも、いつも通り美島さんがNo.1を独走していた。そして、会計を締める24時の時点でも、美島さんは1位だった。

「よし、今月も1位や!」

だが、24時を数分後過ぎた時間に細木さんが来店。800万円の会計を、美島さんの先輩ホストに落としていった。

これによって先輩ホストの売上が美島さんを抜き、その月のNo.1となった。

美島さんは先輩ホストに細木さんの指名を奪われ、No.1の座も奪われたのだ。

当時のホスト界において、指名替えはタブー中のタブー。指名替えのトラブルで殴り合いが起きることも珍しくはなかった。

だがそれ以上に、美島さんは締め日を過ぎたあとの会計を計上した店の判断に納得がいかなかった。

「指名替えされるのは、僕の実力不足なのでなんとも思ってないんです。でも、さすがに時間を過ぎた後の売上を含めるのは違うやろと。店側に何度も『さすがにそれはないでしょ』って言いました。でも、『光ちゃん、ごめん』って言われるばっかりで」

細木さんの指名を奪われたとはいえ、美島さんには他にも太客が大勢いた。ゆえに、細木さんの指名を失ったところで、トータルの売上にあまりダメージはなかった。

しかし、店側がルールを破り、店のNo.1の美島さんではなく細木さんの意向を優先したことには納得がいかなかった。

美島さんの怒りと失望はその日以降も消えず、勢いのままに愛本店を退店。年間数億の収入を手放し、無職となった。

◆4年で5億を使い果たす

無職になった美島さんだが、ホストで稼いだ金はたんまりと残っていた。その額、なんと5億円。

サラリーマンの生涯年収が2〜3億円と言われている日本なら、まさに“一生遊んで暮らせる金”だ。

だが、その5億円を美島さんはわずか4年で使い果たしたという。

「金銭感覚が狂いきってるんで、毎日20人くらいのホストたちを引き連れて高級ソープに行ってました。お店をまるごと貸し切って、一晩で数百万円を湯水のように使い果たしてました。あとは、ヴェルサーチの高級ブティックに行って『ここからここまで全部くれ』って買い漁って、1回着たら『もういらんわ』って捨てる。そんな狂った生活を4年もしてたら、あっという間に金が消えていきましたね」