殊勲の2ゴールを挙げた中野。ふたつのヘディングシュートとも難しい状況からねじ込んでみせた。写真:竹中玲央奈

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[天皇杯3回戦]筑波大 2-1 福岡/7月12日/K'sスタ

 2回戦でJ1のベガルタ仙台を下した筑波大が、今度はJ2食いをやってのけた。

 第97回天皇杯全日本サッカー選手権は7月12日に、3回戦が各地で行なわれ、茨城県代表の筑波大がJ2のアビスパ福岡に2-1で勝利した。

 この試合で2ゴールを挙げ、勝利の立役者となったエースストライカーの中野誠也は、ふたつのヘディングによるゴールを試合後のフラッシュインタビューで振り返っている。

 まず69分の先制点は、西澤健太からのクロスを、やや下がりながらの難しい体勢で身体をひねりながら頭で押し込んだ。このゴールには、その直前に伏線があったようだ。
「(ゴールの)その前に1回、同じようなボールがあって、良い感触があった。次こそ決めてやるという気持ちでいって、それがゴールにつながったので良かった」

 そして、結果的に勝負を分けるゴールとなった79分の2点目は、膝付近の高さのクロスボールを足ではなく、頭で地面に叩きつけてゴールネットに突き刺した。これには、中野も苦笑いで、「足で行ったら外してしまう気がしたんで……。面が大きい頭で行こうかなと思って、頭から飛び込みました」と語った。

 梅雨空のもと、雨が降りしきるなか行なわれたゲームで、ピッチ状態はかなりスリッピーになっていただけに、中野も「あの場面では意外と冷静で、しっかり頭でいけて良かった」と、確実に頭で押し込むという判断ができたことを喜んだ。

 これで筑波大は4回戦進出が決定。中野は「次の試合があるのは光栄なことなので、また良い準備をして戦いたい」と語り、さらなる躍進を誓った。