国土面積に占める森林面積の割合を「森林率」というが、中国メディアの騰訊が1日付で掲載した記事は、日本と中国の森林率に非常に大きな差があるのはなぜかというテーマについて論じている。(イメージ写真提供:123RF)

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 国土面積に占める森林面積の割合を「森林率」というが、中国メディアの騰訊が1日付で掲載した記事は、日本と中国の森林率に非常に大きな差があるのはなぜかというテーマについて論じている。

 記事は2012年における中国の森林率は「20.36%」であるのに対して、1995年における日本の森林率は「67%」であったと紹介した。一部資料によれば、日本の森林率は現在に至るまでずっと一定の水準で維持されているという。

 「Global Forest Watch(グローバル・フォレスト・ウォッチ)」は米国の世界資源研究所(WRI)がGoogleなどの企業と連携して作成した世界の森林面積の動態を可視化して提供するサービスだが、この地図を見ると中国華北部や東北部は森林が少ない灰色であるのに対して、日本は森林が多いことを示す深緑だ。

 日本と中国の森林率にこれほど大きな差がある理由について、日本が1950年に施行した「造林臨時措置法」は、実質的に林地所有者に造林を「強制する」ものだったと説明、また、1980年代に入り日本政府は天然林の育成と保護を財政補助の重点としたと紹介。こうした政策が日本の森林率の高さと密接に関係しているという見方を示した。

 しかし、中国の場合、木材生産という「明確な要求を伴った任務」は、造林という「要求の弱い任務」よりも常に重要視されたとし、最近になるまで森林保護に対する中国人の考え方を変化させることができなかったと紹介。こうした要素が中国の森林率の低さとなって表れていると論じた。

 日本の森林は原生林・二次林・人工林により構成されているが、人工林は建築用材としての利用を目的として、定期的に人の手を入れながら更新・育成させた森林であり、日本の森林の約4割を占めているという。人工林の割合からも日本が森林の育成と保護に努力し、その取り組みが成功を収めたことがよく分かる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)