「客を呼べ」金正恩のリゾート支配人たちに“最も不可能な任務”
しかし、北朝鮮内部からは「支配人を代えても観光客は増えない」との冷ややかな声が上がっている。
ただ、現地住民は「ホテルを利用するには最低でも1日100ドルが必要だ。毎日100ドルを支払える住民がどれだけいるのか」と指摘し、責任を現場に押し付ける当局の姿勢に疑問を呈している。
元山葛麻海岸観光地区は、金正恩総書記の肝いり事業として進められてきた。故郷・元山を「世界的な観光名所」として宣伝するとともに、外貨獲得の新たな柱に育てることが狙いだった。
だが、現実は構想とは大きく異なる。
RFAによれば、元山葛麻地区では27のホテルが計画されたものの、実際に利用可能な施設は「指折り数えるほど」にとどまるという。「明沙十里ホテル」や「親善ホテル」など一部を除けば、建設が完全に終わっていなかったり、設備面の問題を抱えていたりして、正常な営業が難しい状態だとされる。
(参考記事:「いずれぜんぶ崩壊」金正恩自慢のタワマン、目撃者ら証言)
電力や水道の供給も不安定だ。
住民は「電気と水も十分に供給できないのに、運営不振の責任をすべて支配人に負わせて観光産業がうまくいくのか」と反問したという。
こうした問題は、北東部の羅先経済特区でも起きている。
RFAによると、羅先市の南山ホテルでは支配人が1年足らずの間に2度交代した。新型コロナウイルス流行前には、中国人観光客や貿易関係者で一定の需要があったが、現在は外国人利用客がほとんどおらず、ホテルは閑散としているという。
現地住民は「観光客も、貿易目的で訪れる外国人もほとんどいないのに、支配人を代えて何が変わるのか」と語った。
