緊急小口資金のパンフレット

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 コロナ禍のまま2度目のゴールデンウイークになった日本。これまで取材してきた新型コロナの影響が直撃し困ってる人々を今一度振り返りたいと思う。2020年5月24日掲載記事より、緊急小口資金を受けようと窓口を訪れた男性、相談員からあの手この手で邪魔され、申請さえできなかった実態だ。

◆ある男性が体験したコロナ申請のリアル

 コロナ禍で生活が苦しくなっても、日本にはさまざまなセーフティーネットが用意されている。さすが日本!と思いたい……が、実際に利用できるかは疑問だ。

 社会福祉協議会の緊急小口資金を受けようと4月中旬に東京都内の窓口を訪れた新川太(仮名・35歳)さんは、要件を満たしていたのに相談員からあの手この手で邪魔され、申請さえできなかったという。

 新川さんは2月末にプログラマーの仕事を退職。人手不足のためすぐに再就職できると思っていたが、コロナの影響拡大で雲行きは怪しくなる。

「1カ月はダラダラし、4月から働こうと思ったらコロナです。どこでも働けるって雰囲気じゃなくなりました」

 新川さんは自己都合で退職のため、失業保険を受け取れるのは3カ月後から。それなのに貯金は20万円ほどしかない。「もうダメだと諦めていたら、前職でお世話になっていた取引先から『うちにおいで』と4月頭に電話がかかってきました」。

 内定先は業界準大手で、給料は倍以上に。「まさに果報は寝て待て」と新川さんは喜んだ。

 ただ転職先に出社するのは5月から、それまでに貯蓄は底をついてしまう。そこで新川さんは社会福祉協議会の緊急小口融資を受けることにした。

◆終始めんどくさそうな相談員

 新型コロナの影響で失業したわけではないが、転職活動に支障をきたしたのは確かだと思っていた。

 ところが――。

「社会福祉協議会では片山(仮名)さんという、おばさんが相談に乗ってくれました。言葉遣いは丁寧なのですが、終始めんどくさそうな態度。コロナの影響で転職活動が難しかったと言っているのに、証明しろと言うのですよ。『どうやって証明するのですか?』と聞いても答えない」

 新川さんは事前に緊急小口資金の制度を下調べしていたため、コロナの影響による特例貸付(上限20万円)が利用できなくても、通常の制度で上限10万円までは貸してもらえると知っていた。

「初回の給与が支給されるまでの生活費として、通常の緊急小口融資を利用したい、と言ったら渋々とパンフレットを持ってきました。こちらが尋ねるまでは一切教えてくれませんでしたね」

 ようやく、新川さんが貸付対象かどうかのヒアリングが始まったが……。

◆「10万円なら短期バイトをすればいい」

 相談員の片山さんは「書類が多いから申請は大変よ」「通帳、クレジットカードの明細も見せてもらわなければならないわ」「次回も平日9時から17時の間にお越しいただかなければなりません」と、申請を諦めさせようと必死だったそうだ。

 公的機関からお金を借りるのにどうしてこんな嫌な思いをしなければならないのか新川さんは不思議に思いながらも、ヒアリングの結果、貸付対象の条件は満たしていたという。

 だが片山さんは「なぜ生活防衛資金として、生活費を3カ月分貯めていなかったの」「これは返してもらわなければならないので、お金がないと貸せません」と申請を受付けてくれなかった。「5月から働き口はあるからお金は返せます。申請だけでもしてください、と何度もお願いしたのに、『債権者に聞いてみないとわかりません』と。債権者って言っても、聞けば区ではなく、東京都の社会福祉協議会のことですよ。まったく別組織みたいに話すのは腹が立ちました。