トヨタ「“7人乗り”プリウス」が凄い!

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トヨタ「“7人乗り”プリウス」が凄い!

 日本を代表するハイブリッドカーとして、不動の地位を確立しているトヨタ「プリウス」。

 そんなエコカーの代名詞的なモデルの歴史の中には、「もしもプリウスにもっと大きな荷物や、さらに多くの人数を乗せられたら…」というドライバーの願いを見事に形にした、ユニークな派生車種が存在しました。

【画像】超カッコイイ! これがトヨタ「7人乗りプリウス」です!(12枚)

 それこそが、2011年にデビューしたハイブリッド・ステーションワゴンの「プリウスα(プリウス・アルファ)」です。

 同車はミニバンのような多人数乗車性能とステーションワゴンの使い勝手、そしてハイブリッドならではの圧倒的な低燃費を1台に凝縮した万能モデルとして、今なお多くの愛好家から高い評価を受け続けています。

 プリウスαのベースとなったのは、世界的の大ヒットを記録した3代目の「30系プリウス」です。

 トヨタはこの3代目のプラットフォームを改良し、ホイールベースを延長するとともに車体後部を高く伸びやかに拡大。

 ボディサイズは全長4615mm×全幅1775mm×全高1575mmに設定され、日常での取り回しに優れた絶妙な扱いやすさを確保しました。

 そしてスタイリッシュなワゴンボディの内部には、スタンダードな「2列シート・5人乗り仕様」に加えて、実用的な3列シートを採用した「7人乗り仕様」を設定。

 ここで当時のドライバーやクルマ好きを大いに驚かせたのが、7人乗り仕様に秘められた巧みな技術工夫でした。

 通常のハイブリッドカーでは車体後部の荷室下などに大きく空間を占領するハイブリッド用駆動バッテリーが配置されるのが一般的。

 しかし「3列目にしっかりと人が乗れる空間を作り、荷室も犠牲にしない」という課題をクリアするため、トヨタは当時としては非常に先進的で小型な「リチウムイオンバッテリー」を7人乗り仕様へと採用。

 さらに、その小さなバッテリーを前席の運転席と助手席の間にあるセンターコンソール下部へと収めるという、驚きのパッケージングを実現したのです。

 この画期的な配置アイデアにより、床下を圧迫することなくリアの足元空間をしっかり確保しつつ、3列目シートを備えたハイブリッドカーとして高い完成度を実現させました。

 なお、5人乗り仕様においては、コストのバランスを考慮して荷室後方にニッケル水素バッテリーを配置するという、バリエーションごとの賢い作り分けも施されていました。

 そして、シートアレンジの多彩さと荷室の広さも、このクルマの大きな魅力です。

 例えば2列目と3列目を折りたたむと、広大でフラットなスペースを瞬時に生み出すことが可能。

 長尺物のレジャー用品を楽々と積載できるのはもちろんのこと、マットを敷くだけで快適に寝転がることができるため、昨今ブームが続く車中泊やアウトドアキャンプの相棒として活躍できる、高いポテンシャルを秘めているのです。

 まさに、日々の買い物や子どもの送迎といった日常の使い勝手から、週末のアクティブな遠出まで、ドライバーの環境に合わせて何役もこなす柔軟さを持っていました。

 そんなプリウスαのパワートレインには、1.8リッター直列4気筒エンジンに電気モーターとバッテリーを組み合わせた、トヨタ自慢のハイブリッドシステム「THS II」を採用。

 大人数が乗車したり、キャンプ道具などの重い荷物をたっぷり積み込んだりしても、モーターによるスムーズな加速サポートにより、ストレスを感じさせないスマートなドライブを実現します。

 それでいて燃費性能は当時のミニバン類とは比較にならないほどの高水準を誇っており、ガソリン代を気にせずにどこまでも旅に出たくなるような快適な走りを届けてくれました。

 その後、SUVブームの到来や多様な新世代モデルたちの登場に伴い、生産開始から約10年間という長いロングセラーの末に、2021年に惜しまれつつ生産を終了したプリウスα。

「ステーションワゴンとミニバンの良いところを軽やかに融合させ、さらに圧倒的な低燃費で走り切る」という唯一無二の立ち位置を持つユニークなモデルでした。

 現代の市場にこそ似合うその優れた実用性とパッケージングの妙は、クルマに楽しさと生活の自由度を求める多くのユーザーを、今でも強く魅了し続けています。